アイ・ティ・アールはこのほど、クライアント仮想化、PC資産管理およびモバイルデバイス管理(MDM)、クライアント・ログ管理の製品について市場調査を行い、『ITR Market View:クライアント仮想化/モバイル管理市場2011』として発刊した。
このうちMDMについて、2010年度の出荷金額は前年度から約20倍に拡大して3億2,000万円となり、さらに2011年度はその3倍の9億8,000万円に達すると予測。ビジネス利用が増加する中、今年度は参入ベンダーの急増でシェア争いが激化している。
2011年度出荷金額ベース(予測値)でのベンダーシェアは、大手キャリアのインフラとしての採用を伸ばしているインヴェンティットが35.7%でトップ。2位は、iOS版をいち早く市場に投入したアイキューブドシステムズ(10.2%)、3位はWindows Mobile向け製品をいち早く投入したSOTI(国内販売元:ベネトレイト・オブ・リミット)となっている。
同社シニア・アナリストの舘野真人氏は、今後、企業で利用される端末台数が増加することが確実な状況において「管理ツールの整備は不可欠となるため、MDM製品の需要も急拡大する」との見通しを示している。また、企業における私物端末の業務利用(BYOD=Bring Your Own Devices)が受け入れられるようになった場合は、より高度な管理機能が必要とされるため、さらなる市場規模拡大の可能性があることも指摘している。