2011年11月12日、アドビ システムズは、Web制作やアプリケーション開発に携わる人を対象とした開発者向けイベント「ADC MEETUP ROUND03 ~MAX RETWEET~」を、東京・ベルサール新宿セントラルパークにて開催した。10月に米・ロサンゼルスで開催された同社の年次カンファレンス「Adobe MAX 2011」のフォローアップをテーマとした本イベントから、注目の「Adobe Creative Cloud」をはじめとした最新情報を中心にイベントの模様をお届けしよう。

まず、イベント冒頭には、同社のソフトウェアおよびテクノロジーを活用し構築されたドラマーのためのソーシャル・ツール「V-Drums Friend Jam」が披露され、イベントのオープニングを盛り上げた。

ドラマー・MASAKing氏による、電子ドラム「V-Drums」を使ったデモンストレーションが行われた

続いて、同イベントの本題となる「Adobe MAX 2011」からの最新情報を紹介。発表以降、多くのクリエイターから注目を集めている「Adobe Creative Cloud」については、20GBのストレージや電子出版、Webフォントなどを含む「Creative Services」、Adobe Creative Suite Master Collectionで提供されているすべてのツールを含む最新ソフトウェア「Creative Apps」、情報共有やサポートサービスなどの「Creative Community」の3つの分野を統合した総称となっていると説明した(Creative Communityの具体的なサービスや運用については、まだ検討段階とのこと)。今回発表されたAdobe Creative Cloudへの移行は、ますます加速する時代の流れに対応し、制作およびパブリッシング向けの新世代サービスを実現するため、同社が進める変革に向けた大きな一歩であると紹介した。

サービス、アプリケーション、コミュニティの3つの要素から構成される「Adobe Creative Cloud」は、2012年早期までに提供予定。個人向けには月額5,000円で提供される

同時発表のタブレット用アプリ「Adobe Touch Apps」は、Adobe Creative Suiteと共に、アプリケーション分野で重要な役割を担う存在としてアピールされた

さらに議題は、先日モバイル機器ブラウザ向け「Flash Player」の開発中止が発表され話題を呼んだ、FhashおよびAirテクノロジーについての解説へと進行。「Flash Playerの開発中止は、あくまでモバイル機器ブラウザ向けのものであり、これは現在のモバイルユーザーのFlashの利用形態が圧倒的にアプリ形式のものからとなっていることを反映しての判断。今後もモバイル機器向けのFlashテクノロジーの開発は継続され、Flash開発者がAdobe AIRを通じてネイティブアプリをパッケージ化できるように取り組む」との発表があらためて行われた。

Webやアプリケーションなど様々な分野で活用可能なFhashおよびAirテクノロジーは、開発者およびユーザーにとって大きなアドバンテージとメリットがある

さらに、最新のFlash Player 11にてサポートされる3D技術「STAGE 3D」の活用事例として、本邦初公開となった3Dアバターを使ったゲーム(コードネーム:BARTS)が、スクウェア・エニックスのディレクター 小林吉彦氏により公開された。本ゲームは2012年春頃、同社の運営する会員サイト「SQUARE ENIX MEMBERS」にてサービス開始となる予定であり、ユーザーはインターネットブラウザを介して、Flash Playerで表示された自身の3Dアバターを自由に操れる。STAGE 3Dによって、特別なソフトのダウンロードやインストールなども不要となり、だれでも気軽にハイクオリティな3Dグラフィックス空間でオンラインゲームを楽しめるメリットは非常に大きいとのことであった。

STAGE 3Dにより、ブラウザゲームとコンシューマーゲームの融合と進化がもたらされ、ゲームの新しい遊び方や楽しみ方を提供できるという