三洋電機は、従来異なるソフトで管理を行っていたレセプトコンピューター(レセコン)の「レセプト(調剤報酬明細書)情報」と電子薬歴の「薬歴情報」を融合した、保険薬局用電子薬歴システム「PharnesII-MX」を発表した。2011年11月10日より発売を開始し、初年度2000システムの販売を目指す。

「レセプト(調剤報酬明細書)情報」と電子薬歴の「薬歴情報」を融合した、保険薬局用電子薬歴システム「PharnesII-MX」

電子薬歴市場は、レセコンと電子薬歴をネットワークで接続し、両システム間で処方データや会計データなどを通信する方法が一般的だが、この場合、両システムに各種データベース(医薬品や薬剤情報、チェックなど)を搭載したり、保険薬局内の動線に合わせて両システムの端末を目的別に設置するなど、操作面や運用面、コスト面で電子薬歴導入の障壁となっていた。

同システムでは、レセコンと電子薬暦を融合させたことで、一度レセコンで入力したデータの修正や後発医薬品への変更入力を、電子薬歴入力中に行うことができるため、効率的な運用が可能となった。

また、患者掲示板の自動表示機能により、事務員と薬剤師で患者情報や申し送り3などの情報を簡単に共有できるため、事務員と薬剤師によるスムーズな情報伝達が可能となっている。

さらに、電子薬歴では、薬歴を「薬歴表紙」、「服薬指導」、「ハイリスク薬指導」の3つの画面で管理し、これらの画面を確認することで患者の状態をすぐに把握することができるようになっている。

加えて、データベースにより、処方薬同士の相互作用チェック機能はもとより、食品アレルギーや医薬品アレルギーを患者情報として登録することができ、処方薬とのチェックを行うこともできるほか、患者が持っている主な疾患を登録することで、疾患と処方薬のチェックを行うことも可能となっている。

また、投薬により患者に副作用などが起こっていないかをモニタリングしていく必要があるハイリスク薬については、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン(第2版)」の内容に準じた項目について確認した結果を入力することができ、患者安全性の向上が図れる仕組みとなっている。

このほか、万一のサーバ障害時には、サーバ復旧まで端末1台での薬歴入力や入力済みの内容の確認を行うことができるほか、オプションとして、ネットワークバックアップ機能やセカンドサーバシステム、開局時間外の患者からの緊急問合せにも的確に対応できるスマートフォンを活用した患者処方歴や医薬品情報確認用「ポケット薬歴」、インターネットを利用してチェーン薬局の情報を共有化し、チェーン薬局の経営を活性化する「総合経営支援システム Ph-NetMaster」なども用意されている。

PharnesII-MX「薬歴表紙」画面

PharnesII-MX「服薬指導」画面

PharnesII-MX「ハイリスク薬指導」画面