国立天文台は、日本を中心とした東アジア・欧州・米国を中心とした北米の国際協力のもとで、南米チリ共和国にて建設を進めているアルマ望遠鏡計画において、2011年7月28日(日本時間)に16台目の高精度パラボラアンテナが設置されたことを発表した。
アルマ望遠鏡は最終的には、2013年に66台の高精度パラボラアンテナでの観測を開始することを予定している。今回、日米欧が製造を分担した、2011年秋から開始される予定の初期科学運用に必要な数である16台のパラボラアンテナが現地に揃ったことで、ハワイにある米国のサブミリ波干渉計(SMA)の感度を10倍以上上回る性能を実現できるようになるという。
なお、国立天文台ではこの性能を活用した、ミリ波およびサブミリ波による銀河や惑星の誕生、宇宙の中での物質進化や地球生命の起源にまで迫る観測研究が、世界各国の研究者によって間もなく開始されるとしている。