去る6月1日(水)、東京ミッドタウンにて「言葉のデザイン2010」第8回の研究会が開催された。最終回となる今回のテーマは「総括/文字とデザインの未来」。ディレクターを務めるのは、グラフィックデザイナーの原研哉と永原康史の両名。

ゲストスピーカーは株式会社モリサワの冨田信雄。写真植字からデジタルフォントに至るまで、一貫して、日本語の文字環境を整備してきた同社に、これまでの活動と今後の戦略を語ってもらった。

「ほぼ1年前、永原さんとのツイッターでのやりとりがきっかけとなり、この研究会が発足しました。グラフィックデザインとは異なり、オンスクリーンの世界は千差万別で、どうやって分け入ればいいのかわかりませんでしたが、おかげさまで、毎回、濃い議論を拝聴させてもらい、僕自身、そこに潜む可能性を実感できました。今回は、最終回に花を添えて、モリサワの冨田さんをお招きしています」(原研哉)

「ちょうど昨年のiPadが発売された日に<言葉のデザイン2010>がスタートしたわけですが、この最終回をもって、ようやく<2010年>が終了します。<言葉のデザイン2011>があるとすれば、それは、それぞれの場所で、それぞれの実践を行うということだと思っています。この研究会で得たヒントを、それぞれ活かし、新しい可能性にチャレンジしてください」(永原康史)