FirefoxのUIを担当するAlex Faaborg氏のブログに「ホームタブ」と「新規タブ」の最新のデザイン案が掲載された。Firefox 4では「ホームタブ」とブランクではない「新規タブ」の登場が検討された時期もあったが、まだ取り込まれるまでに至っていない。しかし、Firefoxをほかのブラウザと差別化することになるUIであるだけに、その動向には注目が集まる。

ホームタブのデザイン案 - Home Tab and New Tab Conceptual Mockups - Alex Faaborgより抜粋

ホームタブは従来のホームボタンをタブに置き換えるとともに、iGoogleのようなポータルコンテンツを表示させるというもの。ホームタブの導入には主に次の狙いがある。

  • Firefoxを特徴付けるユニークなUIの実現
  • アプリケーションレベル通知機能の実現
  • タブを使っていないユーザへタブブラウジングへ自然と誘う装置としてのUI

iGoogleや検索ポータルサイトとの最大の違いは、それがローカルで実現されるコンテンツであり、Webサービスとして提供されているものではないというところにある。

Operaが新規タブページで「スピードダイヤル」と呼ばれるリンク集を提供したり、ChromeやSafariも同様の機能の提供するなか、Firefoxは現在もブランクページを提供している。今までこれは次の問題を考慮してのことだと説明されてきた。

  • 候補が表示されることで、作業の効率が下がる可能性がある。新規タブページに情報が掲載されていれば、まずはそこを探してしまうし、その中に該当するものがなければその分だけロスが発生したことになる。
  • 候補が表示されることで、ユーザが訪れるサイトを潜在的に減少させることにつながる可能性がある。
  • 候補が表示されることで、ユーザが本来行こうとしていたサイトが、表示されているサイトへ行くように気が変わってしまう可能性がある。

こうした懸念に対し、デザインチームは次の2つのソリューションを提案している。

  • 新規タブがマウスで開かれた場合、マウスで行き先を選択するためのUIを表示する。
  • 新規タブがキーボードショートカットで開かれた場合、アドレスバーでの入力に注力してもらうため、アイコン等は白黒で表示し、強く意識しない限り認識されにくくする。

マウスで新規タブを開いた場合のデザイン案 - Home Tab and New Tab Conceptual Mockups - Alex Faaborgより抜粋

ショートカットキーで新規タブを開いた場合のデザイン案 - Home Tab and New Tab Conceptual Mockups - Alex Faaborgより抜粋

キーボードによって新規タブが開かれた場合と、マウスで新規タブが開かれた場合の動作を次のように変えることで、それぞれのユーザが求めるものを阻害することなく、新規タブページが果たすべき機能を持たせられるというアイディアになっている。