トムソン・ロイターは、科学技術振興機構(JST)が同社の論文のオンライン投稿・査読ツール「ScholarOne Manuscripts」を採用したことを発表した。同機構の扱う64のジャーナルで2011年4月より順次利用が開始されているという。

同ツールは、オンライン論文投稿・査読システムで、学術論文のオンライン投稿を実現し、ピア・レビュー(論文審査)の管理および編集作業を簡易化することで、査読者は簡単な操作で論文の内容を確認することができるというもの。原稿、抄録、要旨集、書籍、助成金・褒賞の管理から、編集、査読、および制作を簡便化することが可能で、国内外の学協会などで活用されている。今回のJSTへの導入については、同ツールをJSTの科学技術情報発信・流通総合システム「J-STAGE(Japan Science and Technology Information Aggregator, Electronic)」の新版「J-STAGE 3」用にカスタマイズしてサポートした。

JSTでは、J-STAGEのバージョンアップに際し、サブシステムの導入を検討、さまざまな外部ソリューションを調査した結果、日本語版を含めたツールの使いやすさと、日本人研究者にすでに広く認知・利用されている点を評価して同ツールの導入を決定したという。

なお、J-STAGEはJSTが開発・提供する、日本国内の科学技術情報関係の電子ジャーナル発行を支援するサイト。J-STAGE上で公開されている論文は、ChemPort、PubMed、CrossRefなどを経由し、海外の様々な電子ジャーナルサイト上の論文と相互にリンクされるほか、電子ジャーナル公開とともに投稿から査読・審査までをオンライン化するシステムを利用機関に提供しており、今回のバージョンアップにより、同投稿審査システムが「J-STAGE3投稿・審査システム(ScholarOne Manuscriptsタイプ)」へと変更された。