東芝は5月30日、従来から開発中の有機ELに可搬性や調光などの仕様を加えることで、被災地の避難所の不十分な電源事情の中で役立つ照明器具を開発し、宮城県気仙沼市の避難所に50個贈呈したことを発表した。

東芝が被災地避難所用に開発した有機EL照明器具

同社はこれまで、薄い・軽い・曲がる・割れない・透明といった有機ELの特徴を生かした、新あたな明かりの開発を進めてきた。

同社が開発した有機EL照明器具は、乾電池や太陽光充電池による駆動で持ち運びができるうえ、携帯電話の画面程度の明るさからスタンド程度の明るさまで3段階の調光が可能であるため、電源が不十分な場所でも利用者のニーズに合わせた光量で「やわらかなあかり」を長時間提供できる。

また、光源パネル自体が器具にほぼ相当し、光の利用効率が高く節電効果が大きいことから、省エネかつ薄くて軽い面状の光源として幅広い用途で日常的に利用されることが見込まれている。

手元灯としての有機EL照明器具の活用例

読書灯としての有機EL照明器具の活用例