東京電力の清水正孝社長は5月20日の決算発表の場で退任することを明らかにし、次期社長として常務取締役の西澤俊夫氏が就任することを発表した。
西澤氏は長野県出身で現在60歳。京都大学卒業後に東京電力に入社後、主に企画部門を歩み、現在は福島原子力被災者支援対策本部長として政府と連携しながら陣頭指揮を執っている。
社長就任について西澤氏は、「原発事故の収束」「被災者への補償」「電力の安定供給」「経営の合理化」の4つを大きな課題として掲げ、これらの項目について全力で取り組む考えを示した。
清水社長は西澤氏を後任として指名した理由として、「震災対応における政府との連携などで実力を発揮している」ことや、「固い信念を持っている」ことなどを挙げている。
今回の役員人事で退任することになったのは清水社長のほか、藤原万喜夫氏(取締役副社長販売営業本部長)、武藤栄氏(取締役副社長原子力・立地本部長)、森田富治郎氏(取締役)の4名。
清水社長と武藤副社長は原発事故の引責退任となるが、退任後は同社顧問に就任し、当面は引き続き震災関連の対応に関して無償で後方支援を行うことになるという。
なお、会長の勝俣恒久氏は留任する。