東京電力は5月13日、今夏の電力需給の見通しと対策について発表したが、夏期に向けた計画停電の運用ルールとして、停電の「回数・時間」「対象」「スケジュール」を明らかにした。

同社は、長期計画停止中の火力発電所の一部を除いたすべてについて、8月末までの復旧の見通しが得られたことや新たなガスタービンの設置、揚水発電のさらなる活用などにより、今夏の電力供給力を5,520万kW(7月末)から5,620万kW(8月末)へと上方修正した。

同日に政府の電力需給緊急対策本部が発表した「夏期の電力需給対策について」の内容を踏まえ、「原則不実施」の計画停電を夏期に万が一実施する場合の概要が公表された。

1グループ当たりの停電回数は、これまで1日に2回以上実施したグループもあったが、複数回の停電は避け1日1回とする。1グループ当たりの1回の停電回数は現行の3時間程度から2時間程度に変更された。現行のグループによって停電時間帯が毎日変わる「日替わり停電制」が継続される。

停電対象は、被災地域と東京23区は対象外となる。政府は、東京23区の扱いについて、「鉄道、信号機、医療機関、高層住宅・ビル等が高密度に存在し、昼間人口も多く、また国の基幹的な機能が集積していることから停電対象としない。ただし、その代替手段として、23区内の需要家に対して需給調整契約の締結等を促し、需給逼迫時に計画停電を回避できるよう一層の需要削減を求める」としている。

鉄道・医療機関など、計画停電対象外となる施設と同一送電線から受電しているため3月に停電が行われなかった顧客については、技術的に可能な範囲で計画停電の対象とする。

計画停電のグループについては6月中旬に発表が行われ、夏期の計画停電の運用は6月下旬から開始される予定。