オリンパスは4月26日、スライドガラス標本をデジタル画像化するバーチャルスライドシステムとして、標本をより広い視野で高解像に取り込める専用光学系を採用し高速・高画質を実現した「VS800」を2011年6月に発売することを発表した。

バーチャルスライドシステム「VS800」

バーチャルスライドシステムは、スライドガラス標本全体またはその一部をスキャンし、デジタル画像としてコンピュータに取り込むシステム。標本をデジタル化することで、複製できない標本や希少な標本などを、褪色や破損の心配なく撮影時の状態をデータとして保存することが可能となる。また、ネットワークを介することで、多人数や遠隔地の人が同時に同じデジタル標本画像(バーチャルスライド)を観察することも可能だ。

同製品は、ダブルホルダーを搭載した標本交換・搬送システム、リアルタイム・オートフォーカス機能、一度に広い視野が撮れる専用設計の高NA対物レンズの採用により、バーチャルスライド作成に要するトータル時間を従来機に比べ短縮することに成功、約90秒/スライド(15mm×15mm)を実現している。また、本体には一度に300枚の標本をセットできるので、大量のバーチャルスライドを効率よく作成することが可能だ。

さらに、専用対物レンズと専用高演色白色LED・照明光学系の採用により、色再現に優れ、隅々まで明るく鮮明な画像を取得できるほか、バーチャルスライドを実際に作成する流れ(ワークフロー)に沿った動線で操作できるナビゲーション機能を搭載したことで、同ナビに従って操作していくことで、バーチャルスライドを簡単に作成することが可能となる。