ネットアシストは「ネットワークインフラの活用をアシストすること」という理念の下、サーバのハウジングサービス、ホスティングサービス、サーバの運用管理代行(MSPサービス)などを手がけている。同社は10年来、専門エンジニアによる24時間365日監視運用保守付きハウジングサービスを提供しているが、一昨年にはそのノウハウと仮想化技術をベースにしたVPS(仮想専用サーバ)サービスの提供をスタートするなど、年々サービスの幅を広げている。

最近では、ソーシャルアプリやスマートフォンアプリを提供するベンダーへのサービス提供が増えているという。今回は、そうしたソーシャルアプリ/スマートフォンアプリ関連ビジネスの動向を含め、同社のサービスの特徴について話を聞いた。

「顧客が何を必要としているか」がサービス提供の大前提

ネットアシスト マーケティング部 マネージャー 持田邦彦氏

「われわれは10年来、サーバの運用管理の経験を積んできたので、企業が困っている点を知りつくしています」と話すのは、マーケティング部 マネージャーの持田邦彦氏だ。同社ではもともと提供していたハウジングサービスのうち、需要が高かったものをまとめてホスティングサービスとして、専用レンタルサーバサービスとVPS(仮想専用サーバ)サービス、クラウドサーバサービスの提供を始めた。

一般的なクラウドサービスや専用サーバサービスでは、運用・保守サービスはオプションとして提供されているケースが多い。しかし、同社では、専門スタッフによる24時間×365日の運用・保守サービスを標準で提供する。

同氏は、「当社は常に『お客様が何を必要としているか』を考えています。その結果、サーバの設定やトラブル対応などまで含めて、サービスの提供を行っています。これができるのも、長年にわたって蓄積したサーバ運用・保守サービスのノウハウと経験があるからです」と、同社のスタンスについて説明する。ただし、「運用・保守まで提供するサーバサービスを提供するベンダーの認知度は低いのが残念です」と、同氏はいう。

用途に応じてクラウドサービスと専用サーバの使い分けを

ネットアシスト マーケティング部 土橋佑司氏

クラウドサービスの浸透ぶりは言うまでもないが、マーケティング部の土橋佑司氏は「サーバの用途に応じて、クラウドサービス、VPSサービス、専用レンタルサーバサービスを使い分けたほうがよいです」と話す。ユーザーは予算を主眼に置いた設計をしがちだが、同社はユーザーと話し合ってサーバの用途に適した設計を提案するという。同氏はサービスの使い分けについて次のように話す。

「リソースの増減が頻繁に発生するソーシャルアプリやスマートフォンアプリを提供する場合はクラウドサービスが適しています。ソーシャルアプリはサービスのスタートが利用のピークになりますが、そこから大きく伸びるケースは少なく、サービスの利用に波があります。一方、ある程度規模が見えているビジネスについてはVPSサービスや専用レンタルサーバが適しています」

インフラ会社のタグマッチがもたらす顧客への安心感

では、実際にユーザーに接している営業部マネージャーの井上幹氏は、同社のホスティングビジネスをどう見ているのだろうか?

「昨年より、ソーシャルアプリやスマートフォン向けゲームアプリを提供するベンダーからの引き合いが増えています。こうしたアプリを提供する場合、ロードバランシング(負荷分散)、データベースのチューニングを行わなければなりません。また、サイジングも重要ですが、これらをきちんと行うには、ノウハウが不可欠です。われわれはそのためのノウハウを持っています」

また、同氏は同社の強みについて、「われわれは緊急であれば仕様書に書かれていないことも、お客様からの要望があればに応じて行います。仕様書にはない作業が発生したとして、そこで手を止めてしまったらお客様が困るからです」と話す。

同社はデータセンター専門事業者と協力して、サービスの提案を行っている。データセンター専門事業者ではカバーしきれない、運用・監視・保守の部分を同社が担い、お互い得意な分野で持ち味を発揮することによって、シナジーを生んでいるというわけだ。

こうしたパートナーとの共同作業は、「『必要なサポートはすべて行ってくれる』という安心感を顧客に与えている」と、同氏は自信を見せる。

個人と異なり、企業がクラウドサービスやVPSサービスを利用する場合は、リソースの増減や障害発生時の対応まで手を打っておく必要がある。人員が豊富ですべて自社でまかなえる企業は問題ないだろうが、スキルを持った人員が不足している企業はノウハウを持ったベンダーを頼るのも一手だろう。

止めてはいけないビジネスを支えられるサーバサービスが必要な時、ネットアシストのサービスは選択肢の1つとなるはずだ。