IDC Japanは2月21日、国内ITサービス市場の成長予測を発表した。それによると、2010年は2年連続マイナス成長という結果になったものの、2011年以降はプラス成長に転じる見込みという。
発表によると、2010年の国内ITサービス市場は、前年比1.4%減の4兆9500億円。2009年に引き続き、2年連続のマイナス成長となっている。理由としては、「国内経済は最悪期を脱し、企業の業績も上向いてきたものの、一方で『踊り場入り』、『二番底懸念』も伝えられており、企業のITサービス支出に対する慎重姿勢は変わっていない」ことが挙げられている。
ただし、2011年については、「金融業界におけるシステム統合需要や、これまで凍結されてきた新規システム開発/既存システム更新需要など」に牽引され、1.5%のプラス成長に転じると予測。市場規模は5兆236億円となるという。
さらに、2012年には成長率2%台にまで回復。2010年から2015年までの5年間は、平均成長率2.3%で伸張し、2015年には5兆5521億円に上るとの見方を示している。それでも、IDC Japanでは、「2008年以前の3%を超すような成長は2015年までは見込めない」とし、その理由として、「これまで国内ITサービス市場の成長を牽引してきたITアウトソーシングにも、成長の鈍化がみられる」ことや、「大企業を中心にシステム開発予算を国内向けから海外向けにシフトする動きもみられる」ことを挙げている。