IDC Japanは2月17日、国内ITサービス市場の産業分野別ベンダー動向を発表した。

今回の調査では、「金融」、「製造」、「流通」、「通信/メディア」、「政府/公共」、「その他」の6つの産業分野を対象に、2010年3月期の実績に基づいてITサービスベンダー各社の売り上げを分析。前年比の売上成長率や各社のシェアなどを割り出している。

IDC Japanの発表によると、6分野すべてで、富士通、NEC、NTTデータ、日立製作所、IBMの5社がトップ10にランクイン。また、調査対象の半分となる3分野において、この5社がトップ5を占めているという。

上記5社の売上を分析すると、金融および政府/公共の割合が高い傾向があるという。なかでも、金融の売上に関してはベンダーによって大きな違いがあり、その結果が全体の業績を大きく左右したと分析されている。業績を伸ばしたのは、地銀向けの共同アウトソーシング需要や、証券/保険などの需要拡大を的確に取り込んだベンダーだったという。

また、市場規模の大きい製造分野については、トップ10にランクインした全てのベンダーがマイナス成長。しかし、アウトソーシング事業が強いベンダーは減少幅を最小限に抑えたなど、内容には大きな差があり、この結果も全体業績に大きな影響を及ぼしているという。

詳細は同社が発行するレポート「2010年 国内ITサービス市場 産業分野別 ベンダー競合分析:2010年3月期実績に基づく」に掲載されている。

主要ベンダーの産業別売上成長率