セイコーインスツル(SII)は2月15日、アウターリード付きで0.8mm×0.8mm×0.4mmの小型パッケージ「HSNT-4(0808)」を採用しながら許容損失850mWを実現したLDOレギュレータIC「S-1312/1313シリーズ」を発表した。2011年2月20日よりサンプル/量産出荷を開始する予定で、サンプル価格は100円としており、年間500万個の販売を目指す。

HSNT-4(0808)パッケージを採用した「S-1312/1313シリーズ」

同シリーズは、携帯電話やデジタルカメラなどの携帯機器において、リチウムイオン電池や各種電源からの入力電圧を調整し、電源電圧の変動があっても携帯機器内の各種回路に電圧を一定に出力することができるLDO型のボルテージレギュレータICで、S-1312シリーズは出力電流150mAタイプ、S-1313シリーズは200mAタイプとなっている。

携帯機器の小型化や高機能化にともない、電源に使用されるレギュレータICにもチップサイズの小型化が求められているが、一般的に用いられるノンリードタイプの小型パッケージでは、はんだ接合がパッケージの底面のみのため実装後の自動外観検査によるはんだの接合判定が困難となっていた。また、レギュレータICは電源電圧を供給するため発熱をともなうが、その放熱処理も課題となっていた。

同シリーズでは、アウターリード付きパッケージを採用したことで、実装後の自動外観検査に対応したほか、パッケージ裏面に熱伝導率の高い銅製の放熱板を採用することで許容損失850mWを実現した。また、温度が150℃に上昇するレギュレート動作を停止し、120℃に下がると解除するサーマルシャットダウン回路を内蔵したほか、過熱保護回路を内蔵しながらも、S-1313シリーズで0.9μA、S-1312シリーズで20μAの消費電流を達成している。