帝国データバンクは2月3日、2011年度の賃金動向に関する企業の意識に関する調査結果を発表した。調査期間は2011年1月19日~31日で、有効回答企業数は1万1,017社(回答率47.2%)だった。
2011年度の企業の賃金動向を尋ねたところ、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は1万1,017社中4,131社、全体の37.5%と、前回調査(2010年1月度)の2010年度見込み(同31.8%)を5.7ポイント上回った。一方、「ない(見込み)」と回答した企業は同35.8%(3,942社)となり、「賃金動向は厳しいながら、2年連続で改善する」と同社では見ている。
「ある(見込み)」を地域別に見ると、南関東(同39.1%、1,429社)や北関東(同39.0%、269社)、近畿(同38.9%、710社)、北陸(同37.5%、196社)などの全10地域で3割を上回った。2010年度見込みと比べると、全地域で前回を上回っている。
業界別では、「農・林・水産」(同46.3%、19社)や「製造」(同42.5%、1,315社)、「卸売」(同41.0%、1,417社)が4割を超え、とりわけ「製造」は前回を8.7ポイント上回った。一方、「金融」(同15.0%、20社)は唯一、前回を下回った。
2011年度の正社員における賃金改善の具体的な内容は、「ベースアップ」が1万1,017社中3,437社、構成比31.2%、「賞与(一時金)」は同21.0%(2,316社)となった。2010年度見込みと比べると、それぞれ4.0ポイント、4.4ポイント上昇した。
2011年度はベア、賞与(一時金)とも2年連続で前年度見込みより増加する見込みだが、2008年度見込みと比較すると、ベアが依然として大きく下回っている。同社では、成果主義の導入などにより賃金は賞与(一時金)が先行して改善する状況にあると指摘している。