米Freescale Semiconductorの日本法人であるフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは9月14日、同社のプライベートショー「Freescale Technology Forum Japan 2010(FTF Japan 2010)」を開催。併せて、スマートフォンやスマートブック、携帯電話などの携帯機器に向けた3軸加速度センサファミリ「MMA845xQ」を発表した。

同ファミリは、同社の次世代センサソリューション「Xtrinsic(エクストリンシック)」として提供されるもので、14ビットデジタル出力品「MMA8451Q」、12ビットデジタル出力品「MMA8452Q」、10ビットデジタル出力品「MMA8453Q」の3製品が用意されている。いずれも、加速度センサ間でレジスタ・マップ・アライメントのピン互換性を備えており、10ビット設計、12ビット設計および14ビット設計の間でハードウェアとソフトウェアの再利用が可能になるため、開発コストの削減と、市場投入時間の短縮が可能となる。

「Xtrinsic」における3つの新製品の位置づけ

1.5~800Hzの範囲でユーザが設定可能なサンプル・レートを備えており、1.95~3.6Vの供給電圧での動作が可能。高分解能向けから低消費電力向けまで4つの電力モードを備えており、消費電流はスタンバイ・モードで1.7μA、アクティブ・モードで6μAを実現している。

また、最大32のX/Y/Zデータのサンプル・セットを格納するオンチップFIFOメモリ・バッファを統合。これにより、ホスト・プロセッサから各種機能がオフロードされるため、システム全体の節電性能と応答時間が向上している。FIFOバッファと他の組込機能を組み合わせて活用することで、ホスト・プロセッサは必要なデータだけを処理することが可能になり、同時に、同一のIICバス上で他のセンサとの多重化を行う際にデータ損失が生じる危険性を回避することができる。加えて、ホスト・プロセッサに統合されたFIFOにより、マイクロコントローラや出力データ・レートの選択に応じて、従来ソリューション比で78%から最大96%以上の消費電流削減を実現することが可能だ。

さらに、プログラマブルな2本の割り込みピンによる7種類の割り込み設定が可能なほか、自由落下検知またはモーション検知1チャネル、パルス検知1チャネル、振動検知1チャネル、ヒステリシス付き方向検知(垂直/水平)、出力データ・レートの自動変更による自動ウェイク/スリープ、セルフテスト機能などの組み込みモーション検知機能を搭載している

「MMA845xQ」ファミリの主な特長

なお、3製品ともにすでに量産出荷を開始しており、1万個購入時の単価(参考価格)は、MMA8451Qが1.34ドル、MMA8452Qが1.13ドル、MMA8453Qが1.04ドルとなっているほか、「Sensor Toolbox」として3製品の評価が可能な開発ボード「LFSTBEB845x」の提供も行われており、加速度センサ開発ボードと加速度センサUSBボードを同梱した「RDMMA845x」の提供も開始されている。価格はLFSTBEB845xが各75ドル(参考価格)、RDMMA845xが各99ドル(参考価格)となっている。

開発のサポートとして、開発ボードなども提供している