経済同友会は8月4日、主に上場・非上場企業の代表者を対象として行われた「企業経営に関するアンケート調査」の結果を発表した。

同調査は、「企業経営に関して経営者がどのような課題を抱え、どのように取り組んでいるか」ということに関して、毎年定点観測を行うことによって変化をつかむことが目的とされている。

今回の調査では、「日本企業全般について」という大項目における「今後の日本経済は何を強みとしていくべきか」という質問項目に対し、「ものづくり」と回答した割合が前年比約20%減と大幅に下がっていることが判明。また、「ものづくりは今後も日本の強みであり続けるか」という問いについて「そう思う」とした回答割合も、前年比15.5%減となる57.8%にまで落ち込んでいることがわかった。

「今後の日本経済は何を強みとしていくべきか」調査結果と年度別推移(資料: 経済同友会)

「ものづくりは今後も日本の強みであり続けるか」調査結果と年度別推移(資料: 経済同友会)

この項目に関しては、ものづくりが強みではなくなる理由についても調査が行われており、その上位項目は「新興国の台頭による安価な商品の広まり」(77.3%)を筆頭に、「生産拠点の海外移転による国内空洞化」(59.1%)、「国際分業による日本の優位性の低下」(50.0%)、「ノウハウ・技術を伝承する若手の不足」(50.0%)といった結果になっている。

なお同調査にはほかに、「グローバル化への対応について」「事業環境変化への取り組み」「M&Aについて」「人材採用における課題について」「労働力としての女性の活用について」「労働力としての高齢者の活用について」「コーポレート・ガバナンスについて」といった大項目が用意されており、それぞれ詳細な調査結果が明らかにされている。

同調査は東証1部・2部上場企業2,128社の代表者(社長)と非上場の経済同友会会員所属企業(株式会社)474社の代表者に対して、2010年2月~3月の期間で実施されたもの。有効回答数は391件で、そのうち製造業が約4割を占めている。