JAXAは7月21日 、小型科学衛星「SPRINT」シリーズの開発計画の概要を発表した。これによると、SPRINT-A(小型科学衛星1号機)は、2013年度にイプシロンロケットでの打ち上げを目指し、開発を進めているという。
SPRINT-Aは金星、火星、木星を極端紫外線(EUV)で観測する。金星・火星については、大気流出を観測し、惑星大気流出の太陽風の応答を解明して、惑星大気進化の歴史の多様性生命を育む惑星の成立条件を探求する。木星の観測では、電子温度を導出するとともに、発光領域の背景エネルギー収支のメカニズムを解明し、惑星環境多様性の理解を促進する。
小型科学衛星のミッションの特徴には、「EUVで観測する科学は例がほとんどないため、発見的な要素が多く、教科書を書き換える成果が期待できること」、「指向安定度は数秒角を目指しており、大型衛星と遜色ないこと」などがある。
2号機以降のミッション候補としては、「プラズマセイル」、「小型電力波観測衛星(DPF)」、「ダークバリオン探査衛星(DIOS)」、「小型月探査技術実験機(SLIM)」などが挙げられている。