I-FAIRYのスペック - 動作の自動生成モードを搭載

I-FAIRYは、大きさが幅50cm×奥行き60cm×高さ135cm(動作時の最大寸法は幅110cm×奥行き70cm×高さ135cm)で、重量は70kg、外装はFRPおよびアクリル製だ。本体に内蔵されたPC(OSはWindows XP SP2)で制御され、AC100V、1200Wで動作する。

動作箇所は、頭部(左右旋回、上下)、両肩(前後旋回)、両腕(左右旋回)、両肘に加えて、台座ごとボディ全体が左右に旋回可能で、全9自由度ということになる。その他、両手首、指、両膝、つま先は半固定式でポージングが可能だ。

また、ベーシックモデルではオミットされているが、両膝もサーボモーターを搭載すれば動かすことができる。理論的には歩かせることも可能な設計になっているそうで、将来的には自律歩行させたいと考えているとか。

I-FAIRY全身。頭部に付けられていた花飾りを外した状態

I-FAIRY全身、後部より。お尻の部分が台座に固定されている

I-FAIRY頭部側面。目には内蔵されたLEDで7色に変化

同じくI-FAIRY頭部、後方より。プロペラ風リボン付き?

その他の仕様としては、目にLEDが内蔵されており7色の表現が可能、音声は台座下部の2基のスピーカーから出力される。また、検出距離2m以内の人感センサ(赤外線焦電センサ)を搭載しており、人が接近したことを感知して、動作させることもできる。

最大の特徴は、動作の自動生成モード搭載により、複雑なプログミングなしでも利用できる点。ココロの先行製品「アクトロイド」では声の担当者にセリフを喋ってもらい、それにロボットの動作を合わせるといった作り込みが必要だったが、I-FAIRYでは標準装備の専用ソフトを使用してユーザーが簡単に音声や動作を変更できる。

人前式ではあらかじめ立会人としてのプログラムが組まれた上で、しゃべるタイミング等は裏から操作されていた

台座背面に電源スイッチや内蔵PCの各種インタフェースがまとめられている

内蔵PCに接続されたディスプレイの画面を見せてもらった

「Action Editor」の画面。音声データの再生、モーター制御、目のLED発光などのタイミングが時間軸に沿ってスコア化されている

音声は、マイクからの直接録音だけでなく、PCから通常のワープロ感覚で入力したテキストを合成音声でしゃべらせることが可能。

動作は、動作作成ソフトにより手動で細かく設定することももちろんできるが、自動生成モードを使用すれば、セリフの入力のみで動作はおまかせにすることもできる。

これはインタロボットの協力により実現した機能だそうで、セリフの「間合い」や「抑揚」を解析し、「うなずき」や「驚き」などプリセットされた各種動作を自在に組み合わせて、人間が無意識に行うような「会話のリズム」を表現できるのだそうだ。

また、この動作自動生成はリアルタイムの音声入力にも対応しており、たとえばI-FAIRYを司会者に見立て、声の担当者が舞台裏から話す内容に応じたアクションをさせることも可能だと言う。これにより、単にプログラム通りに動作するロボットではできない、アドリブを織り交ぜたショーを行うこともできる訳だ。また、インターフォン代わりの受付ロボットとしての活用も提案されている。