米Googleは7月15日(現地時間)、2010年第2四半期(2010年4月-6月)決算を発表した。売上高・純利益ともに前年同期比24%増を達成したものの、クリック単価がアナリストの期待ほど伸びず、利益が予想に届かなかった。

第2四半期の売上高は68億2000万ドル (前年同期比24%増)。会計原則 (GAAP) ベースの純利益は18億4000万ドル(同24%増)で、希薄化後1株あたりの利益(EPS)は5.71ドル。昨年4-6月期の純利益は14億8000万ドル(GAAP EPS: 4.66ドル)だった。

売上高の内訳は、Googleのサイトからの売上高が全体の66%となる45億ドル (前年同期比23%増)。Googleネットワークと呼ばれるAdSenseプログラムを通じたパートナーサイトからの売上高は、全体の30%の20億6000万ドル (同23%増)だった。TAC (トラフィック獲得費用) は17億3000万ドルで、前年同期の14億5000万ドルから増加した。TACの広告収入全体に対する比率は26%。前年同期は27%だった。

Googleは現在、(1)検索/ 検索広告、(2)モバイル、(3)Google Apps、(4)ディスプレイ広告の4つの分野に重点を置いて投資を行っている。2010年3月31日時点で2万621人だったフルタイム社員数は、6月30日時点で2万1805人に増加した。問題は、こうした投資に対する期待と実際の成果のギャップである。モバイルトラフィックは急増しているものの、モバイル広告でAppleとの競争に直面し、YouTubeは1日あたりの視聴回数が20億回超に成長したが、今でも赤字状態が続いている。また長期的にはGoogle Appsのような広告以外の事業の成長に期待がかかるが、Googleの売上全体に占める広告以外の売上げの割合は4%と依然として小さいままだ。一方でGoogleの屋台骨である広告について、4-6月期はペイドクリック数(検索広告クリック数)が前年同期比15%増だったのに対してクリック単価が4%増にとどまった。前期比ではペイドクリック数が3%減、クリック単価は2%増。4-6月期の業績は増収・増益ではあったものの、中・長期的な新たな展望を開くような内容ではなかった。

Google CEOのEric Scmidt氏は4-6月期の決算発表で「われわれは将来性に確信を持っており、戦略的に焦点を当てているコア分野に今後も積極的に投資していく」とコメントしている。