富士通と北陸先端科学技術大学院大学は7月1日、学内の学生や教職員、事務職員約1500人に向けた学内プライベートクラウドを共同で構築したことを発表した。
今回構築された学内プライベートクラウドでは、富士通のPCサーバ120台を仮想化技術(VMware vSphere 4 Enterprise、Citrix XenApp)を利用して30台に集約したほか、研究分野などで利用される業務用サーバを21台構築。すべてのサーバを富士通の「PRIMERGY BX920」で一元管理するようにしたという。なお、ストレージには「ETERNUS DX80」が3台導入されている。
従来は全時間におけるサーバの平均稼働率が10%を下回っていたとのことだが、仮想化技術を導入した今回のシステム刷新によってサーバの稼働率を高めることが可能になったほか、サーバ調達手続きの煩雑さなどが解消され、新規研究の取り組みへの迅速な対応を実現できるようになったという。
また、サーバの管理をクラウド上で一括管理できるようになることから、管理コストやオペレーションコストの大幅な削減効果も見込まれる。さらに、従来よりも消費電力を48%削減することなどによって、年間のCO2排出量を最大で120トン削減するという。
同プライベートクラウドは3月から順次サービス運用が開始されているとのことだが、北陸先端科学技術大学院大学は今後、学内プライベートクラウドの対象範囲を図書館蔵書管理システムや学務システムなどの業務サーバなどに拡大し、サーバ稼働率90%の実現を目指すとしている。