シャープは6月30日、都内で同社の環境に対する取り組みに関する記者説明会を開催。環境施策の適用範囲を、従来の「モノづくり」を行う各事業部門に加え、営業部門や本社部門に拡大する「エコ・ポジティブ キャンペーン」を展開すると発表した。

シャープ 取締役 専務執行役員 太田賢司氏

記者説明会に際し同社取締役の太田氏は、「もはや関連部門だけではなく、全社を挙げて取り組むべき時代」として「環境」を企業の成長力につなげる必要性を強調。同社が企業ビジョンとして掲げる「エコ・ポジティブ カンパニー」の実現に向けた大きな取り組みの1つとして、従来「モノづくり」を行う各事業部門に適用範囲が限定されていた「エコ・ポジティブ戦略指標」と呼ばれる業績評価の仕組みを、4月から営業部門や本社部門を含めた全社レベルに拡大したことを明らかにした。

これに合わせて同社は、2004年から使用していたスローガン「エコロジークラスでいきましょう。シャープ。」を、「エコこそが原動力。シャープはエコポジティブ。」に変更。ロゴマークも新たに赤い「!」マークが付いたものとなり、同社の名刺や商品カタログ、メールの署名などに適用される予定だ。

太田氏は、新ロゴマークに付けられた赤い「!」マークについて、「全社員がエコについて真剣に考えて取り組むという意味が込められている」と語り、今後は「全員参画で環境への取り組みを加速する」とした。

新ロゴマーク

同説明会では、同社 同社執行役員 森本氏が企業ビジョン「エコ・ポジティブ カンパニー」の実現に向けた2010年度における取り組みについて説明。その中で、上述のような環境への取り組みを全社レベルに拡大する「業績評価での環境取り組み指標の導入」に関して、以下のような部門ごとの具体的な指標例を紹介した。

シャープ 執行役員 環境安全本部長 森本弘氏

  • 研究・開発部門
    創エネ・省エネ機器の要素技術の開発<進捗度合い>
  • 事業部門
    環境配慮型商品の創出<投入モデル数>
    工場の環境性能の向上<CO2や廃棄物の排出削減率>
  • 営業部門
    新興国での創エネ・省エネ商品の拡販<受注件数>
  • スタッフ部門(本社など)
    サーバの省エネによるCO2の削減<CO2削減率>
    環境配慮型物流への移行<モーダルシフト導入率>
    環境コミュニケーション活動の実施<実施件数>など

業績評価の指標は部門ごとに異なるが、それぞれの部門における業績評価に占める(環境への取り組みに対する)割合は5~20%。同社は、2010年度下期からはこの仕組みを国内外の関係各社を含めたグループ全体で展開する予定だとしている。