「エキソニモって誰だ!」と思った読者はかなりのモグリであることを自覚しなければならない。そして、すぐにでもエキソニモのWebサイトを見るべし!!! 目がチカチカしてワケがわからず、立ち眩みよろしくクラクラしはじめ、ますます混乱すること請け合いなのである。

オイオイ、そんな輩が次号の雑誌『Web Designing』をジャックするなんて、WDもどうかしちゃったんじゃないの? と心配された心ある読者の方々へ。そんな心配は一切不要。なぜなら、エキソニモとは、過去からいま、そして今後における「Webメディア」を俯瞰するうえで、通らずには進めず、退くこともできない大きな大きな存在であるからだ。

1996年、インターネットがまだ一般的に普及していない頃から活動を開始した、千房けん輔と赤岩やえによるハッカーアートユニット「エキソニモ」。インスタレーション、ライブパフォーマンス、ソフトウェア、ハードウェア等、あらゆるメディアを横断し、情報、コミュニケーション、テクノロジーといった大海原から「Web」の本質を"表現"としてすくい上げ、その線上に交差する「人」や「現実」を浮き彫りにしてしまう、10年前も10年後も、極めて先端的でオモシロイ人たちなのである。

そんなエキソニモが次号の『Web Designing』をジャックする!!! ということで、納得された方も多いはずだろう。納得できなければぜひ、本誌にて。マイコミジャーナルの人気連載「エキソニモをview-source」もお忘れなきよう。

とはいえ、「ジャックする」ってなんのこっちゃ? と気になるのは人の性(さが)。これがただ単に、一雑誌がエキソニモの特集を組んだ、というレベルではないことだけは先に伝えておきたい。なんとあのエキソニモが!!! と記しつつ、すぐに答えは教えません。そこで『Web Designing』の特集取材に同行。"ジャック"の真相をフォトレポートとして小出しにしていこう。

『Web Designing』特集「エキソニモが知っている」レポート


5月某日、撮影室にて

千房さんが持参した袋から出てきたのは、部品、人形にスクラップ……。なにやら顔のような、そうでないような。これは一体!?

突然、紙をいじり始めたと思ったら、WDのロゴをちぎっているご様子の千房さん。作品は徐々に姿をあらわしてきたものの……

撮影がスタート。ADも参加してその場でレイアウトしている状況を見ると、どうやら表紙の撮影を行っている模様。えっ、これが表紙に??? ロゴの位置を調整→戻して→斜めにして等、何度も繰り返すことはや3時間経過

撮影は無事に終了。ふと、千房さんが作品をいじり始めると……。なんと!!! ギラギラと光だし、ノイズ音まで発生する作品だったのだ!!! ちなみに作品タイトルを尋ねると「とくにないっすネ(笑)」とのこと。即興ライブ開催@撮影室!

5月某日、六本木にて

この日は赤岩さんも参加して特集内で掲載するインタビューを収録。当日は、六本木ヒルズアリーナで行われたイベントに参加中のエキソニモ

番外編、アスキーアート作成

「扉」と呼ばれる特集で最初の見開きページを、アスキーアートで作成してしまおうという試み。それにしても赤岩さん、手描きのアスキーアートって……

よくよく見ると、"赤岩やえ"、"千房けん輔"、"エキソニモ"の文字で構成されているではないかっ!!!

次号『Web Designing』は「エキソニモが知っている」と題したエキソニモ大特集が組まれている。表紙や扉など、本特集のためだけに作品を創作してくれた、エキソニモの軌跡、エキソニモの作品、エキソニモの交友……etc、エキソニモをさまざまに照射し、改めて彼らが何者かであるかを「むき出し」にすると同時に、"エキソニモ"というフィルターを通して混迷を極める「Web」を再認識するきっかけを提示してみせる。

雑誌『Web Designing』の詳細や定期購読は公式Webサイトより。次号『Web Designing』(2010年7月号)の発売は6月18日(金)、価格は1,470円。乞うご期待。