話題性の高いニュースが続いたせいか、全体的にページビューのよかった1週間だったが、週末にかけて海外企業の動向が騒がしくなった。とくにGoogleの開発者カンファレンス「Google I/O」が米国で開催されたこともあり、今週のIT業界はGoogleを中心にまわった感があるが、経営チャンネルではどちらかというと国内企業の動向のほうが注目度は高かったようだ。

ではさっそく、5月14日(金)から5月20日(木)までの経営チャンネルのベスト10記事を紹介していこう。

1位 シマンテック、ベリサインの電子認証・証明事業を買収 5月20日
2位 【レポート】高機能液晶と薄膜太陽電池で世界にふたたび挑むシャープ 片山社長の戦略 5月18日
3位 【レポート】国内電機大手8社の2009年度決算 - 構造改革の成果はいかに? 5月17日
4位 三菱電機、発電から消費まで全域対象のスマートグリッド実証実験を計画 5月17日
5位 ローソン店頭での新メディア事業「東京メディア」- ARの広告媒体化も想定 5月19日
6位 大学・大学院生の4月内々定率は31% - 2011年卒マイコミ内定率調査 5月14日
7位 消防庁がTwitterで災害情報の発信を開始 - 米Twitterの認証取得 5月18日
8位 高速道路の新料金制度は6月実施を断念、当面は1,000円割引継続 - 国交相 5月18日
9位 東電ら、英国で回収されるプルトニウムのMOX燃料加工に向けた枠組みに合意 5月14日
10位 サラリーマン川柳ベスト10が発表、トップは蓮舫氏を凌ぐ妻を読んだ一句! 5月20日

5月20日掲載ながら、掲載後すぐに圧倒的なPV数を記録して今週の1位となったのが、シマンテックによるベリサイン買収だ。米国ではかなり以前から噂されていたが、国内ではほとんど報じられることがなかったため、国内のベリサインユーザの驚きは相当なようだ。どちらかというと第三者機関的なイメージの強かったベリサインだけに、今後、電子証明事業がシマンテック1社に独占されてしまうのでは、という疑念の声もある。今後のシマンテックからの説明を待ちたいところだ。

今週のCoverStoryは国内大手IT企業の2009年度通期決算を特集したが、大手はいずれも2010年度における回復への手応えを感じていると表明している。なかでも今回ランキングで2位につけたシャープは、最も苦しかった昨年度の教訓を活かし、「今後は外部の経済環境に依存しない経営体質を確立する」と宣言、みごとに社内の構造改革を実現し、黒字に転換した例として興味深い。シャープはじめ、電機大手の決算をまとめた大河原克行氏によるレポートも3位にランクインしている。

経営チャンネルの「環境とエネルギー」カテゴリは、さまざまな企業の環境事業に関するニュースがデイリーで読める人気の高いコーナー。今回は、三菱電機のスマートグリッド実証実験(4位)と電力10社による英国のプルトニウム回収(9位)を扱った2本がランクインした。とくにスマートグリッドは話題のキーワードであるためか、高PVを叩き出しやすい傾向にある。

就活シーズン真っ盛りのこの頃、リクルートスーツに身を包んだ学生をあちこちで見つけるが、6位の記事によると、内々定をもらった学生のうち半数はその時点で就職活動をストップするそうだ。ちょうど今ぐらいに最終選考を迎えている人も多いだろう。新卒採用はいまだにきびしい状況が続いており、確実な1社が決まればその時点でもう終わりにしたい……という気持ちになってしまうのかも。社会人になってからのほうがもっと大変な気もするが、かといって、学生に戻って就活をもう一回やれといわれたら……やっぱりやりたくないかも。

今週は全般に各記事のPVが高く、ふだんの週なら確実にランクインしているようなアクセス数を稼いだにもかかわらず、ランク外となってしまった記事も多かった(この記事とかこの記事)。ただ、上位3記事とそれ以下の記事の差は激しく、3位と4位の差はほぼダブルスコアに近い。シャープの片山社長ではないが、外部の要因(GoogleやYahoo!など)だけに頼らない構造に近づけたいものである。