米シマンテックは5月19日(日本時間5月20日)、SSL証明サービスやPKIサービスなどを含むベリサインの個人認証・電子証明事業について、約12億8000万ドル(日本ベリサインの株式の過半数を含む)で買収する契約に調印したと発表した。今後は規制当局などの承認を経て、9月期には買収が完了する予定。

同社の発表資料によると、世界で100万台以上のWebサーバがベリサインのSSL証明書を使用し、1日あたり20億以上もの証明書の認証処理が行われているという。そして、このサーバとユーザーの電子認証に関する市場は、2013年までに約13億ドルの規模に達すると見込まれている。

また、ベリサインがこれまでに発表している内容によると、「フォーチュン500社のうちの95%」「世界のトップ金融機関上位40社すべて」がベリサインのSSLサーバ証明書を導入しているとされており、日本国内でも6万件以上の発行実績がある(2009年6月末時点)。SSLよりも厳格とされるEV SSL証明書については、「世界で1万3000以上のWebサイトで利用されているEV SSLのうち、1万以上がベリサインが発行するもの」とされており(2009年6月の発表内容)、この市場でベリサインは70%以上ものシェアを持っていることになる。

シマンテックは今回の買収によってこの資産を手に入れることになるほか、「毎日160ヵ国、9万以上のWebサイトで1億7500万回も表示され、オンラインの信用証明として最も知名度が高い」とされるベリサインのブランドを獲得し、DLP(Data Loss Prevention)などの同社セキュリティソリューションと融合させることが可能になる。

なおシマンテックは今回の買収完了後、ベリサインのチェックマークを自社のロゴにも適用し、コーポレートロゴをリニューアルするという。

米シマンテックが公開した新たなコーポレートロゴ