ルネサス エレクトロニクスは5月20日、AMDとPCをはじめとするデジタル機器の標準インタフェース規格であるUSBの次世代規格「USB 3.0」の普及に向けた協業を開始したことを明らかにした。

ルネサスは、USB 3.0の普及を加速するため、大容量HDDの高速データ転送を実現するUASP(USB Attached SCSI Protocol)ドライバを2009年12月に開発している。同ドライバは、これまでUSB 2.0で用いられてきたBOT(Bulk Only Transfer)規格の性能限界を改善するため、USB 3.0向けに開発された大容量記憶装置向けの規格で、同社のUSB 3.0対応ホストコントローラLSI「μPD720200」向けのドライバとなっている。同LSIは、2009年の出荷開始以来、すでに累計出荷数量300万個を達成、2010年4月以降の月産生産量は200万個に増産されている。

今回の両社の協業により、AMDはUSB 3.0の普及加速に向けて、CPUとチップセットをマザーボードに組み込むためのリファレンスデザインにルネサスのUSB 3.0対応ホストコントローラLSIを搭載するほか、ルネサスのUASPドライバとAMDのマザーボードに互換性を持たせ、UASPドライバの標準化に向けた協力が進められることとなる。これにより、AMDのPCシステム上でBOT規格の従来品と比で20%近くのデータ転送速度向上を実現できるようになるとともに、USB 3.0に対応したマザーボードの設計に必要な期間を短縮することが可能となる。

なお、ルネサスおよびAMDは、今後もUSB 3.0対応製品の提供を拡大し、民生機器、ポータブル機器分野での付加価値向上を図っていくとしている。