新日鉄エンジニアリングは4月19日、食品廃棄物からバイオエタノール製造する技術開発が完了したことを発表した。これにより、同社は食品廃棄物エタノール化プラントを商品として、自治体や大手排出者へ営業展開する。

同事業は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、北九州市および西原商事の協力の下、2005年度から5ヵ年事業として取り組んできた「食品廃棄物エタノール化リサイクルシステム実験事業」。

具体的には、北九州市で事業系・家庭系の食品廃棄物を1日約10t(乾燥重量で約2.9t)分別収集し、破砕選別・糖化・発酵・蒸留工程を経て、JASO規格に適合するエタノールを1日当たり約500リットル製造することを実証した。

また、製造されたエタノールを現地でブレンドしてE3ガソリンとし、北九州市公用車と同社業務用車約20台での走行試験も実施したほか、エタノール以外に食品廃棄物中の植物油や動物油から1日当たり約700kgの回収油(A重油相当)も製造し、回収油を含め高いエネルギー収率を達成した。

同プラントの実用化には課題があるが、その導入により、ごみ処理施設での食品廃棄物焼却・溶融処理不要によるCO2排出量の削減が可能となるという。