IDC Japanは4月5日、国内のユニファイドコミュニケーショーン市場に関する2009年の実績と2010年から2014年の市場予測を発表した。

同社は今回のユニファイドコミュニケーショーン(以下、UC)市場を、IP-PBXや企業向けVoIPサービスを含む「UCプラットフォーム市場」と、ユニファイドメッセージングやIP会議システムなどを含む「UCアプリケーション市場」、システムインテグレーションなどを含む「UCプロフェッショナル市場」、ASPサービスを含むUCアプリケーションサービス市場」の4つにセグメント化して市場規模予測を行っている。

さらに、同社はこの市場規模予測を「IPテレフォニー市場」「企業向けVoIPサービス市場」「ユニファイドメッセージング/プレゼンス管理市場」「IP会議システム/テレプレゼンス市場」「IPコンタクトセンター市場」の5つのUCソリューション市場として細分化。それぞれ、個別の市場予測も実施した。

同調査によると、2009年の国内UC市場規模は、エンドユーザー価格ベースで1905億6400万円となり、前年比1.5%減となったことが判明した。同社はその背景について「経済状況の低迷に伴う企業のICT設備投資動向は国内UC市場にも大きく影響し、特にIPテレフォニー市場ではその影響が大きい」とし、IPテレフォニー市場では前年比10.7%という大幅な減少となったことを指摘している。

ただしUCアプリケーションサービス市場については、IP会議システムやIPコンタクトセンターシステム、中でもASPサービスが高い成長率を示しており、「これらがUC市場の下支えとなっている」(同社)という。

同社は、「UCアプリケーション市場/UCアプリケーションサービス市場がUC市場を牽引する傾向は中期的に継続する」と予測。この市場の2009年~2014年における年間平均成長率は4.5%となり、2014年の同市場は2369億円規模に達するとしている。

またソリューション別市場においては、「企業向けVoIPサービス市場、IP会議システム/テレプレゼンス市場、IPコンタクトセンター市場が高い成長率を維持する」と同社は予測している。

同社は今回の調査結果を踏まえ、「国内UC市場が今後も成長を維持するためには、ユーザー企業はUCにより利用方法をシンプルにした通信プラットフォームの活用推進を、販売チャネル/機器ベンダーはIT投資のニューノーマルに対応した販売戦略、クラウド型UCサービスへの準備を進めるべきである」と分析している。

国内ユニファイドコミュニケーション市場 エンドユーザー売上額予測:市場セグメント別、2007年~2014年 資料:IDC Japan