NECは3月23日、独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT)と共同で、ネットワークを仮想化してサーバで集中制御できるネットワーク技術「OpenFlow」を用いた広域映像伝送の実証実験に成功したと発表した。

OpenFlowは、制御サーバのミドルウェアとしてさまざまなネットワーク制御機能を実装し、ネットワークのスイッチの設定を集中管理することで新しいネットワーク制御を実現する。

同実証実験は、NICTの研究開発用ネットワーク「JGN2plus」に、NECがOpenFlowを用いて試作したプログラマブルフロー・スイッチを配置し、ハイビジョン品質のIP映像を伝送したもの。

NECのスイッチは全国5拠点(札幌、東京、大阪、福岡、沖縄)に計17台設置され、複数の放送局との協力下、さっぽろ雪まつりと沖縄プロ野球キャンプの映像伝送が行われた。1対1の拠点間伝送に加え、複数拠点への同時伝送や、複数経路を用いた高信頼な伝送も成功している。

今回の成功により、これまで経路中のすべてのルータに対して個別に機能追加が必要だったIPマルチキャスティング技術よりも、高品質かつ高信頼な映像伝送を柔軟かつ低コストに実現できることが実証された。

NECとNICTによるOpenFlowを用いた広域映像伝送の実証実験