大日本印刷(DNP)は、キーホルダーや携帯電話用ストラップとして利用可能なFeliCaチップを搭載した小型非接触IC媒体「Smart-Jacket(スマートジャケット)」を開発、2010年3月より販売を開始することを発表した。

同媒体は従来FeliCa搭載カードなどと同様の機能を有しながら、さまざまな形状に加工可能な非接触IC媒体。すでにFeliCa性能検定の認定を取得しているため、FeliCa共有領域サービスとして展開されているEdyやFeliCaポケットなどのアプリケーションを活用することが可能だ。

また、絵柄を印刷したフィルムの表面を透明樹脂でコーティング加工する方式のため、立体感の演出や重厚な質感などを出すことができるほか、金型を用いた製造方法に比べて低価格化、短納期化が可能となった。

デザインや形状は自由自在に決定することが可能ながら、カードリーダーにかざすだけで従来のFeliCa同様の使い方が可能

さらに提供するサービスイメージに沿ったデザインや形状に加工も可能であり、これまでICカードをあまり利用してこなかった年齢層や市場への展開も可能になるという。

複数の機能を搭載することも可能

用いられるICチップはFeliCa 4KBの「RC-S962」でISO/IEC 15408(Common Criteria)EAL4+(ハードウェア)とISO/IEC 15408(Common Criteria)EAL4(コンポジット)を取得している。周波数帯は13.56MHzで、4色印刷で最少サイズ45mm×38mm、厚さ約6mmより提供される。

価格は1万個時で約600円(税別。発行処理費用は別途)で、納期はデザインの決定後、約1.5カ月が見込まれている。

なお、DNPでは、同媒体をスーパーマーケットや量販店といった流通業のほか、美術館、ガソリンスタンド、カーシェアリングといったサービス業、塾などの教育業、ファンフラブ組織などに向け販売促進を行い、2012年度までにポイントシステムやデジタルサイネージとの連携システムなどの周辺ビジネスと合わせて約10億円の売り上げを目指すとしている。