富士通テンは3月2日、カーナビゲーションなどの車載用機器向けディスプレイのLEDバックライトの発光量を、映像の輝度に応じて自動的に制御し、消費電力を従来実測値に比べ、約40%低減しながらも、映像のコントラストを向上させることが可能な「LEDバックライト制御技術」を富士通研究所と共同で開発したことを発表した。

車載用ディスプレイのバックライト(車載用では薄型化が求められるため、ディスプレイの枠にバックライトを配置するエッジ型が採用されるケースが主流)

具体的には、従来はどのような映像でも、複数個あるLEDバックライトを一律に発光させるため、映像の暗い部分にもライトを当てることとなり、電力の無駄が発生すると同時に、黒色が白っぽく見えるという課題があった。

LEDの発光量を個々に制御することで、低消費電力化を実現したほか、コントラスト向上も実現

今回新たに開発された技術では、 映像に応じて、複数個あるLEDバックライトの発光量を、個別またはグループ単位(2個単位など)による制御を自動で実施。加えて、相互に重なりを持って発光する個々のLEDバックライトの発光量を、新たに開発した計算アルゴリズムを活用することで、映像に合わせて瞬時に算出。映像の暗い部分はLEDバックライト発光量を抑えて暗くし、低消費電力化とコントラストアップを実現するというもの。

なお、富士通テンでは、今後、自社製品への採用を進め、自動車メーカーなどへ提案を行っていくほか、さらなる車載用AV機器の低消費電力化に向けた技術開発に取り組んでいくとしている。