米Gartnerによれば、AppleのApp Storeに端を発する一連のスマートフォン向けアプリ市場の盛り上がりは、2013年にはダウンロード数にして現在の5倍、売上規模でも4.5倍の水準に達するという。また、このデータを基にした米Ars Technicaによる推測によれば、2009年のモバイルアプリ市場におけるAppleのシェアは99.4%の水準に達する可能性があるという。

Gartnerが発表したモバイルアプリ市場動向調査(単位は百万)

ダウンロード数 総売上
2009年 2,516 4,237.80ドル
2010年 45,07 6,770.40ドル
2011年 21,646 29,479.30ドル

上記はGartnerが1月18日(英国時間)に発表したモバイルアプリの市場動向予測だ。それによれば、2010年にユーザーがアプリ購入に費やす金額は62億ドルに上り、それ以外の広告から得られる収入は6億ドルほどだという。表の総売上とは、これらアプリ配信から得られるすべての収入を合算したものだ。

同年のダウンロード数は45億を超える数字となり、そのうち無料アプリの比率は82%ほどだという。ダウンロード数は2013年に向けて5倍程度に増えるものの、無料アプリの比率はさらに上昇し、全体の87%を無料アプリが占めることになるとGartnerでは予想する。

この分析を基に、独自の解釈からモバイルアプリ市場におけるAppleのApp Storeのシェアを算出したのが米Ars Technicaのレポートだ。Ars TechnicaはAppleの発表データを基にApp Storeのダウンロード数の推移をはじき出し、2009年にApple単独で約25億ダウンロードを達成したと予測する。

Appleが今月初めにApp Storeで30億ダウンロードを達成したことを報告しており、2009年1月時点での予測数字を引き算で出したものだ。これは単純計算で99.6%のシェアとなるが、近年のモバイルアプリストアの人気がApp Storeに集中していることを考えれば、シェア9割超でも全然不思議ではない。

米Gartnerの調査ディレクターStephanie Baghdassarianは、モバイルアプリの動向として「ゲームが一番の人気ジャンルで、次いでショッピング、SNS、ユーティリティ、生産性ツールなどが人気を集め、ユーザーのお金を集めている」と説明する。

またモバイルアプリの大部分を無料アプリが占めることは前述の通りだが、開発者らはアプリで直接料金を徴収するだけでなく、アプリに紐付けされた物理的な物品などの販売を介して利益を得ることが可能だ。また無料アプリでの広告収入も大きなものとなっており、ゲーム内広告などの活用例が見られるという。