三洋電機は、創エネ(太陽電池)・蓄エネ(2次電池)・省エネ(業務用機器など)技術を融合したシステム(スマートエナジーシステム:SES)で、工場や学校、店舗といった施設のCO2排出量やランニングコストの削減を提案するエナジーソリューション事業を今後、本格的に展開していくことを発表した。

同事業の一環として、商船三井と三菱重工業と共に、「自然エネルギーを利用したハイブリッド自動車船」の研究開発を行う予定。同研究開発は、国土交通省の平成21年度「船舶からのCO2削減技術開発事業」の補助対象事業として採択されたもの。

今回三洋は、太陽電池(最大200kW予定)とリチウムイオン電池(最大3,000kWh予定)を組み合わせたシステムで、従来船舶に取り付けられていたディーゼル発電機とのハイブリッドで電力供給を行い、船舶全体から排出されるCO2を削減する技術の確立を目指す。

ハイブリッド電力供給システムの概念図

この太陽光発電システムにて創られた電気は2次電池に蓄えられ、主に停泊中の使用が計画されている。これにより、停泊中にディーゼル発電機を停止することが可能となり、CO2の排出量削減が可能になるという。

甲板での太陽光発電システムによる発電を2次電池による自然エネルギー活用を狙う

なお、同システムを装備したハイブリッド自動車船は2012年の竣工を予定しており、この実証実験を通じ三洋では、今後も創エネ・蓄エネ・活エネを実現するさまざまなエナジーソリューションの開発、提案を行っていくとしている。