米Texas Instruments(TI)の日本法人である日本テキサス・インスツルメンツは、12ビットの分解能と、1GSPSのサンプリングレートを兼ね備え、1個のA/Dコンバータ(ADC)でキャプチャ可能な信号帯域幅を高い効率で2倍に拡大する高速ADC「ADS5400」を発表した。100ピンTQFPパッケージですでに供給を開始しており、100個受注時の単価は775ドルとしている。

「ADS5400」を搭載した基板イメージ

同社独自のBiCom3コンプリメンタリ・バイポーラSiGeテクノロジを用いたSOIプロセスで開発されたモノリシックA/Dコンバータで、諸特性は-40℃~+85℃の工業用温度範囲で規定されている。

同製品は、DCからナイキスト周波数までの第一ナイキスト・ゾーンにおいて、59dBFSのSNR、および75dBcのSFDRを実現している。

また、1000MHzを超えるIF(中間周波)帯域において、58dBFSのSNR、および70dBcのSFDRを実現。アナログ入力には入力バッファを内蔵していることから、高インピーダンス入力を提供すると同時に、オンチップのサンプル・ホールドと入力を分離することで、信号源への内部スイッチング動作の影響を防止している。

さらに、入力バッファを内蔵した12ビット、1GSPS、入力帯域幅2.1GHzのA/Dコンバータであることから、200MHz以上の信号帯域幅のオーバーサンプリング、およびアンダーサンプリングを使用する各種アプリケーションにおいて、広帯域の信号を処理することが可能。

加えてゲイン、オフセット、および位相の微調整が可能であり、マルチGPSデジタイザ内で複数のA/Dコンバータのインターリーブ動作、およびI/Qレシーバ内の2個のA/Dコンバータのバランス動作などを実現することも可能である。