パナソニックとタカラトミーは10月22日、国土交通省の次世代低公害車開発プロジェクトで試作された長距離用大型CNG(Compressed Natural Gas:天然ガス)トラックの関西圏と首都圏のラウンド輸送による試験運行を9月末日までに48回実施したことを発表した。

両社は、国内では初めてとなる長距離用大型CNGトラックの試験運行に、4月から共同で参画している。

今回の試験運行では、従来のディーゼルトラックで運行した場合と比較して、CO2排出量は10%、NOx排出量は90%削減され、浮遊微粒子の排出はほぼゼロとなる。

国内におけるCNG自動車は低公害車および石油代替車として、すでに約3万7,000台以上が普及しており、そのうちトラックは積載量2tクラスを中心に約1万7,000台が実用化されている。しかし、長距離用かつ大型のCNGトラックは現在、国内で唯一の公道試験車である。

試験中の長距離用大型CNGトラックは、同プロジェクトによる開発で、高出力・低公害・低燃費を実現、1回の燃料充填で600km以上の走行が可能となった。

今回のラウンド輸送では、パナソニックが薄型テレビ工場(大阪府茨木市)から物流センター(千葉県浦安市)に薄型テレビ「ビエラ」を輸送し、タカラトミーが物流センター(千葉県浦安市)から兵庫県や大阪府の得意先などに、玩具を中心とした製品の輸送を行っている。

今年度に計画されている年間250回の共同輸送のうち、96回に大型CNGトラックが活用される予定。物流拠点が隣接している両社が共同輸送を行うことで、2009年度は空回送距離を年間7,600km削減でき、CO2排出量は大型CNGトラックの効果と合わせて年間18tの削減となる。