住友商事と日産自動車は10月20日、電気自動車(EV)に使用されたリチウムイオンバッテリーを再利用・再販売・再製品化・リサイクルして二次利用を行うという事業検討を共同で開始すると発表した。

両社は同事業戦略を、再利用・再販売・再製品化・リサイクル(Reuse、Resell、Refabricate、Recycle)の4つのRをとって、「4R」と銘打っている。同事業は、EVが市場で普及していくなかで、再生可能なリチウムイオンバッテリーを有効に活用すべく立ち上げられた。

  • 再利用(Reuse):約70%~80%と高い残存容量を持つバッテリーの二次利用を開始する
  • 再販売(Resell):バッテリーをさまざまな用途のために再販売する
  • 再製品化(Refabricate):バッテリーパックを分解した後、クライアントのニーズに合うように再度パッケージングを行う
  • リサイクル(Recycle):原材料を回収するために使用済みバッテリーのリサイクルを行う

日産は2012年度までにEVの量販を開始する。同社のEVに搭載される高性能リチウムイオンバッテリーは車両寿命が過ぎた後でも70~80%の残存容量があり、グローバルでの再利用やエネルギー貯蔵のソリューションとして、他のさまざまな用途への再販売が可能だ。

両社は今後、日本・米国で2010年後半までの稼働開始に向けた新たな合弁企業の枠組みを確立するために、その実行可能性の検討を行う。欧州では、日産がアライアンスのパートナーであるルノーと共同で4Rのビジネスモデルを模索する。

両社の代表者から成るタスクフォースでは、新たな合弁会社の出資比率、設備投資、事業領域、その他合弁事業に関わる懸案事項等の詳細について最終的な決定を行うために協議を行っていく。

日産は高性能リチウムイオンバッテリーを量産するため、NECとの合弁でオートモーティブ・エナジー・サプライを設立している。4R事業では、ゼロ・エミッション車の駆動に不可欠で高額な構成部品であるバッテリーのバリューチェーンを、同社が総合的に担当する。

日産自動車のゼロ・エミッション車「リーフ」