野村総合研究所は10月20日、一般社団法人久山生活習慣病研究所との共同研究によって開発した生活習慣病の発症予測システム「健康みらい予報」を提供開始したと発表した。同システムは、製薬会社を通じて、医師による患者の生活習慣の改善指導に活用される。

脳卒中・高血圧症・高脂血症・心臓病といった生活習慣病の予防・改善には、食事・運動などの生活習慣の改善が重要だが、こうした病気の危険性が認識されにくいため、生活習慣の改善は難しいと言われている。

同社が同システムを開発した背景には、こうした状況の中、日常の診療や健診後指導の場面で、患者や健診受診者の生活習慣病の危険性を本人に自覚させ、生活改善へのモチベーションを向上させる必要性が高まっていることがある。

同システムは久山生活習慣病研究所の45年以上にわたる疫学調査「久山町研究」の成果が活用されており、問診や検査結果を基に、糖尿病・心血管病(心臓または血管に生じる病気:心臓血管系疾患)の10年後の発症リスクを算出し、特定の検査項目の値が改善した時の発症リスクをシミュレーションすることができる。

健康みらい予報が提供する各種機能

同社は、生活習慣病の患者や予備群を指導する医師に、生活改善の目標設定や動機付けの補助ツールとして同システムを活用してもらうことで、生活習慣病の予防活動に貢献することを目指す。