米Googleは10月8日 (現地時間)、インフルエンザの流行状況をリアルタイムで予測する「Flu Trends」に、日本やロシアを含む16カ国のデータを新たに追加した。これにより37言語に対応、従来の北米、オーストリア/ニュージーランドに加えて欧州地域の感染状況を把握できるようになった。

Flu Trendsは、昨年11月にスタートしたGoogle.orgのサービスの1つだ。U.S. Centers for Disease Control and Prevention (CDC)など保険機関のインフルエンザ様疾患(ILI)データと、インフルエンザに関連する検索頻度の関係を分析。逆に検索クエリのデータからインフルエンザ流行状況を推測している。予測データは地域ごとに流行規模を5段階表示したマップと、感染者数の時間推移のグラフで表される。保険機関のトラッキングシステムでは収集したデータがリリースされるまで1-2週間の時間を要していたが、検索動向を指標とするFlu Trendsはほぼリアルタイムでインフルエンザの流行状況を伝えられる。また調査システムが整っていない地域も対象になるというメリットがある。一方で予測データの正確性が問われるが、Googleによると昨年のインフルエンザ・シーズンにFlu Trendsと米国の公式データは約0.92の誤差だったという。

日本語では「インフル トレンド」というサービス名で提供されており、日本国内については検索動向との比較に国立感染症研究所の公式データが用いられている。

03年からこれまでの国立感染症研究所のデータ(オレンジ)とインフル トレンド(Flu Trends)の予測(青)。ほぼ合致している