写真編集やDTP、Webデザイン、ビデオ制作まで、あらゆるクリエイティブ作業をカバーする「Adobe Creative Suite 4」。2008年12月の発売から約10カ月が経過したが、まだアップグレードしていない人や、気になったまま導入のチャンスを逃している人も多いのではないだろうか。そこで改めて、Adobe Creative Suite 4が提供する6種類のSuite製品の詳細を紹介していこう。
Adobe Creative Suite 4の構成
紙のデザイナーがWebデザインを手がける、Webデザイナーがビデオを撮影する、といった具合に、今やデザイン分野は個々の守備範囲を超えてクロスメディアへの対応が求められている。 最新のAdobe Creative Suite 4では、各製品とFlash技術の連携・統合を強化し、13種類の単体製品をラインアップ。さらに、ユーザー同士がコミュニティで情報を交換し合う新たなオンラインサービスも加わり、コンテンツ制作者のオンライン作業をサポートできるようになった。ワークフローの再構築を促すパッケージ、それがAdobe Creative Suite 4だ。各製品ともにMac OS X版、Windows版を用意。アップルの最新OSであるMac OS X Snow Leopardにも対応している。
Adobe Creative Suite 4で発表されたパッケージ
製品名 |
金額 | |
---|---|---|
Adobe Photoshop CS4 | 9万9,750円 | |
Adobe Photoshop CS4 Extended | 14万700円 | |
Adobe Illustrator CS4 | 8万4,000円 | |
Adobe InDesign CS4 | 9万3,240円 | |
--- | Adobe Acrobat 9 Pro | 5万7,540円 |
Adobe Flash CS4 Professional | 8万8,200円 | |
Adobe Dreamweaver CS4 | 4万9,875円 | |
Adobe Fireworks CS4 | 3万9,900円 | |
Adobe Contribute CS4 | 2万4,675円 | |
Adobe After Effects CS4 | 15万6,240円 | |
Adobe Premiere Pro CS4 | 9万8,175円 | |
Adobe Soundbooth CS4 | 2万6,040円 |
※このほか、「Adobe OnLocation CS4」と「Encore CS4」は、「Creative Suite 4 Production Premium」や「Adobe Creative Suite 4 Master Collection」、「Adobe Premiere Pro」単体製品に同梱されている。
Adobe Creative Suite 4のエディション
マルチメディア向け⇒Adobe Creative Suite 4 Master Collection |
デザイン&DTP向け⇒Adobe Creative Suite 4 Design Premum/Standard |
Webデザイン&サイト構築向け⇒Adobe Creative Suite 4 Web Premum/Standard |
ビデオ制作向け⇒Adobe Creative Suite 4 Production Premium |
気になるアップグレード価格の確認
古くからのユーザーで、Adobe Creative Suite登場から一度もアップグレードしていない人もいるだろう。Adobe Creative Suite 4では、2004年1月に発売されたAdobe Creative Suite 1.xのユーザーはもちろん、各CSアプリケーションがアップグレード対象となっている。同社のWebサイトでは、「アップグレード早わかりツール」を用意し、自分が所持しているCreative Suite製品やアプリケーションをチェックすることで、アップグレード可能なCreative Suite 4製品が一覧表示されるようになっている。たとえば、Adobe Creative Suite 1.x Premiumをもっているユーザーがアップグレードできるのは、Adobe Creative Suite 4 Design Premium/Standard、Adobe Creative Suite 4 Web Premium、Adobe Creative Suite 4 Master Collectionの4製品。Adobe Creative Suite 4 Design Premiumにアップグレードする場合は、15万6,000円(本体価格)となる。
Adobe Creative Suite 4へのアップグレードを考えるなら一度は訪れたい「アップグレード早わかりツール」 |
現在使用しているアプリケーションまたはCreative Suite製品、Macromedia製品にチェックを入れる |
アップグレード可能な製品が一覧で表示され、価格、体験版、製品情報の各Webページにジャンプできる |
「価格」をチェックすると「アドビストア」にジャンプする。「バージョンを選択」で現在使用中の製品を選択すると、アップグレード価格を確認できる |
続いて、6種類のCreative Suite 4を紹介していこう。普段の仕事を変えるパッケージに必ず出会えるはずだ。
すべてのCS4アプリケーションを収録した
Adobe Creative Suite 4 Master Collection
印刷、Web、インタラクティブ、ビデオ、オーディオ、モバイルと、あらゆるメディアに向けたコンテンツ制作が可能なMaster Collection。各アプリケーションが連携し合うことにより、ひとつのコンテンツを複数メディアに簡単な操作で展開できるようになっている。
収録パッケージ |
・Adobe InDesign CS4・Adobe Photoshop CS4 Extended |
|
---|---|---|
価格 | 39万7,950円(製品版) | |
アップグレード価格 | 15万9,600円(アップグレード対象製品によって異なる) |
デザイン&DTPが目的なら……
Adobe Creative Suite 4 Design Premium/Standard
紙のデザインから印刷に関わるすべてのワークフローに対応するのがDesign Premium/Standard。Webデザインまでを手がけるならDesign Premium、紙のデザインにこだわるならDesign Standardと、仕事のフィールドで選べる2つのパッケージを用意。Adobe InDesign CS4のプリフライト機能やAdobe Illustrator CS4の複数のアートボードのサポート、Adobe Photoshop CS4の3Dモデルへの対応など、アプリケーション単体の新機能も魅力的だ。
収録パッケージ | Premium | Standard |
---|---|---|
Adobe InDesign CS4 | ○ | ○ |
Adobe Photoshop CS4 Extended | ○ | × |
Adobe Photoshop CS4 | × | ○ |
Adobe Illustrator CS4 | ○ | ○ |
Adobe Flash CS4 Professional | ○ | × |
Adobe Dreamweaver CS4 | ○ | × |
Adobe Fireworks CS4 | ○ | × |
Adobe Acrobat 9 Pro | ○ | ○ |
Adobe Bridge CS4 | ○ | ○ |
Adobe Device Central CS4 | ○ | ○ |
Adobe Version Cue CS4 | ○ | ○ |
価格 |
24万9,900円(製品版) | 19万8,450円(製品版) |
アップグレード価格 |
11万8,650円~(アップグレード対象製品によって異なる) | 8万4,000円~(アップグレード対象製品によって異なる) |
Webデザイン・開発が目的なら……
Adobe Creative Suite CS4 Web Premium/Standard
PSDファイルを「Adobe Dreamweaver CS4」に配置する、ライブビュー機能で実際にWebを表示するブラウザを見ながらページデザインする、インタラクティブなコンテンツをAdobe Flash CS4 Professionalで開発する、といったWebに関するあらゆるコンテンツデザイン&ページ開発に必要なアプリケーションが揃う「Adobe Creative Suite CS4 Web Premium」。Web開発に限定するならWeb Standardとリーズナブルに最新環境へ移行できる。
収録パッケージ | ・Adobe Dreamweaver CS4 ・Adobe Flash CS4 Professional ・Adobe Photoshop CS4 Extended ・Adobe Illustrator CS4 ・Adobe Fireworks CS4 ・Adobe Acrobat 9 Pro ・Adobe Soundbooth CS4 ・Adobe Contribute CS4 ・Adobe Adobe Bridge CS4 ・Adobe Adobe Device Central CS4 ・Adobe Version Cue CS4 |
---|---|
価格 | 22万6,8000円(製品版) |
アップグレード価格 | 9万2,400円~(アップグレード対象製品によって異なる) |
Adobe Creative Suite CS4 Web Standardは、上記のAdobe Creative Suite CS4 Web PremiumからAdobe Photoshop CS4 Extended、Adobe Illustrator CS4、Adobe Acrobat 9 Pro、Adobe Soundbooth CS4の4製品を省いたもの。価格は12万6,000円(製品版)、アップグレード価格は4万9,875円~(アップグレード対象製品によって異なる)となっている。
ビデオ制作・配信が目的なら……
Adobe Creative Suite CS4 Production Premium
映像、オーディオ、インタラクティブメディアのスピード納品にも耐えうるアプリケーションを擁したパッケージ「Adobe Creative Suite CS4 Production Premium」。アプリケーション間の連携も強化され、企画から配信に至るすべての段階でスムーズなワークフローを実現する。各アプリケーションで制作されたアセットも、何らかの変更が発生した場合に中間的なレンダリング処理が不要となり、効率よく作業できる。レンダリング前でもDynamic Linkを使用すればシーケンスをAdobe Premiere Pro CS4からEncoreに直接渡せるので、時間を掛けずに効率的なアセット制作ができる。
収録パッケージ |
・Adobe After Effects CS4 |
|
---|---|---|
価格 | 26万1,450円(製品版) | |
アップグレード価格 | 9万8,700円~(アップグレード対象製品によって異なる) |
Adobe Creative Suite 4を導入することのメリットとは
Adobe Creative Suite 4が共通して掲げているテーマは「時間とコストの削減」。いずれのアプリケーションも多様なファイルフォーマットの書き出し/読み込みに対応し、コンテンツを共有できる。紙のデザインをWebデザインに、または3Dデータを印刷用データにと、メディアの枠を越えて活用可能となる。その結果、メディアごとのルールに合わせたデータ作りに取られる時間が減り、最終的にはコスト削減につながるのだ。
次回は、このAdobe Creative Suite 4が実現する「効率的なワークフロー」について、さらに詳しく紹介していこう。