ルネサス テクノロジは、自動車のエンジンやトランスミッションなどのパワートレイン制御向けに、3.75MBのフラッシュメモリを内蔵したパワートレイン制御用マイコンとして「SuperH」ファミリ「SH72546R」を製品化したことを発表した。2009年10月よりサンプル出荷を開始、サンプル価格は1万2,000円を予定している。

「SH72546R」のパッケージ概観

同製品はパワートレインの制御向けに、90nmプロセスを採用することでフラッシュメモリの容量を拡大した、自動車制御用マイコンの第3弾製品。第1弾製品「SH72544R」で実現した200MHz動作を維持しつつ、フラッシュメモリの容量を約1.5倍増大させることに成功した。

また、同フラッシュメモリは独自技術を採用、ならびに最適化を施した低消費電力動作のキャッシュ回路を搭載したことで、消費電力を抑えつつ200MHzで1サイクルアクセスとほぼ同等の性能を実現している。加えて、データ格納用EEPROMとほぼ同等機能のフラッシュメモリを128KB内蔵。これによりデータ格納用の外付けメモリを不要とすることが可能である。

CPUコアは、従来品と同様、命令を同時に実行するスーパースカラ方式およびハーバードアーキテクチャを採用し、リアルタイム制御に優れる「SH-2A」を搭載することで、200MHz動作時で400MIPSの処理性能を実現している。また、125℃の高温動作時でも200MHz動作を実現しつつ、低消費電力を維持している。

このほか、SH72544Rとピン配置の完全互換を実現しているほか、同様の周辺機能を搭載している。このため、既存システムのハードウェアやソフトウェアなどの設計資産を流用することが可能だ。

なお、同社は今後は、動作周波数や性能、機能をさらに向上させたパワートレイン制御用マイコンの開発を進めることで、市場ニーズにタイムリーに対応していくとしている。