大日本印刷は9月7日、旭硝子のフッ素樹脂フィルム(ETFE)を採用した、低価格な太陽電池用バックシートを開発したことを発表した。すでに中国、欧州、北米の結晶系太陽電池メーカーを中心にサンプル出荷を開始しており、各メーカーの認定が完了次第、量産を開始する予定。

バックシートは、太陽電池を外部からの物理的衝撃に対してパネルの裏面を保護するために用いられる。また、長期間にわたり屋外に設置されるため、水蒸気などの外的要因から保護する役割も持つ。従来、フッ素系フィルムを最外層に用いた多層構成のバックシートが多く用いられてきたが、低コスト化と耐候性のさらなる向上が求められていた。

今回、DNPでは、耐久性を高めた接着剤の採用、ならびに積層構造と製造プロセスの見直しを行い、最適化を図ることで従来製品に比べて低価格となるバックシートを実現。ETFEは、さらなる長期耐久性と信頼性の確保のために最外層に採用している。ETFEは、ほかのフッ素系フィルムと比べ融点が高く、耐久性の向上が可能であり、建材分野での使用実績を有する。

なお同社では今後、2010年以降の市場拡大に併せて、事業拡大を図り、2011年度に同製品で約50億円の売り上げを目指すとしている。