宇宙からのメッセージ

各種実験を終えた後は、中村氏からの未来の地球に向けての子供達へのお願いが語られた。このお願いというのは、地球温暖化についてのもの。このまま温室効果ガスが増えるのであれば、2100年には最低での地球の気温は4℃上昇することとなる。おかげで砂漠で雨が降るようになり、緑化が始まったという話もあるが、逆に海抜0m地帯は海面の上昇により海中に没することとなり、結果的に地球上に人類の住める領域が減ることとなる。

こうしたことを少しでも防ぐために、「何も文明社会を捨てろとは言えないけど、エアコンの設定温度を1℃上げる、移動には公共交通機関を利用する、外で遊ぶ、植物を庭に植えるといった小さなことをみんなでやれば、将来も変わってくる、かもしれない」と子供達に語りかけた。

超巨大風船が大量に会場を舞う(ちなみに日本の一般家庭は、1日にこの大きさの風船2個分のCO2を排出しているという)

また、若田宇宙飛行士から「きぼう」建設中に撮影された子供達へのメッセージも届けられた。若田宇宙飛行士は、子供達に「ISSにより、人が宇宙で、本格的に活動する時代がやってきました。宇宙にはさまざまな可能性が広がっています」と語り、いつか宇宙に行ってみたいと思ってくれるならば、興味をもったことなど、今の内に色々なことに挑戦してもらいたいと、さまざまな経験が宇宙で役に立つことを説明、「今度は地球で会いましょう」と子供達と再会を期してくれた。

「きぼう」内で撮影された若田宇宙飛行士からのメッセージ

なお、イベント終了後には、参加した子供達には「宇宙時代の地球人」として、宇宙からの視点でものを見ることを学び、かつ新しい時代を築くために必要な「好奇心」「冒険心」「匠の心」そして「命の大切さ」を学んだ証として、JAXAと日本宇宙少年団(YAC)、子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)特製の「『宇宙』まなびの証」が授与された。ちなみに、この証は、持っていると科学館への入場割引(2009年8月現在:東京都の科学技術館と広島県の大和ミュージアムに適用)となるほか、Webサイトに登録すると、宇宙グッズのプレゼントなどの特典がある。

「『宇宙』まなびの証」(シリアル番号が付与されているため、世界で1枚のカードとなる)

教室終了後には中村氏と記念撮影をする子どもの姿も見られた

各種宇宙関係の模型なども展示されていた

ペンシルロケットの復刻モデル

実際にH-IIA11号機で使用されたロケットの最上部、衛星を保護している部分の部材(内部はアルミ製で非常に軽い)