東京電力、デンソー、矢崎総業の3社は共同で、自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機「エコキュート」と太陽熱集熱器型ソーラーシステムを組み合わせた家庭用給湯システム「太陽熱集熱器対応型エコキュート(仮称)」を開発したと発表した。販売は矢崎総業が行い、2010年2月に発売する。販売価格は未定としている。

「太陽熱集熱器対応型エコキュート(仮称)」の外観

同システムは、夜間にお湯を作るエコキュートと昼間に太陽熱を利用して貯湯タンク内の水温を上げるソーラーシステムを組み合わせたもの。ソーラーシステムは集熱器で太陽熱を集めて加温した熱媒体を循環させ、貯湯タンクの水との熱交換で蓄熱する間接加熱方式を採用する。また、集熱器で集める熱量を予測する「天候予測機能」と1日の給湯使用量を学習する「給湯使用量学習機能」によりエネルギーの無駄を抑制。さらに入浴後の浴槽の熱を回収して貯湯タンクの昇温を行う「風呂熱回収機能」により排熱エネルギーも利用するという。これらの機能によりエコキュートの給湯効率が向上し、エコキュート単体時の年間給湯効率(APF)3.1から年間システム効率5.0程度に向上するとのこと。

「太陽熱集熱器対応型エコキュート(仮称)」のシステム概要図

同社の試算によれば、給湯用として家庭で消費されるエネルギーの約8割を同システムでまかなうことが可能となり、燃焼式給湯器のみを利用した給湯と比べてCO2排出量は年間で約7割の削減効果を見込めるとしている。

電源は単相200V。沸き上げ温度は約65度から80度。貯湯タンク容量は420リットル。貯湯タンク部のサイズは693(幅)×796(奥行き)×1,940(高さ)mm、重量は約110kg。ヒートポンプ部のサイズは820(幅)×300(奥行き)×650(高さ)mm、重量は約53kg。集熱器の形式は平板型、集熱面積の違いにより1.91m2と1.0m2の2種類のモデルを用意。1.91m2モデルのサイズは、1,002(横)×2,002(縦)×60(厚み)mm、重量は約37kg。1.0m2モデルのサイズは、978(横)×1,119(縦)×55(厚み)mm、重量は約20kg。