「LP-S9000」の開発コンセプトを説明するセイコーエプソン IJP・LP事業戦略推進部 部長 山崎英雄氏

続いて、セイコーエプソン IJP・LP事業戦略推進部 部長 山崎英雄氏が、POP出力にも一般オフィスにも対応し、速い、キレイ、使いやすいをコンセプトに「LP-S9000」を開発したと説明。

速さでは、オフィリオ史上最速の35PPMカラー出力を実現。さらにファーストプリントをカラー6.4秒、モノクロ6.3秒と高速化している。これは新開発したコントローラの処理速度が速く、1ページ当たり何ビットで描かれているかをあらかじめ算出し、最適に処理をしているため。このような高速処理により、他社の40PPM機と遜色ない高い生産性を提供できるとした。

キレイさでは、色再現性に優れ、正確なカラーバランスを実現するLCCS(Logical Color Conversion System)を採用。LCCSは、エプソンとロンチェスター工科大学マンセル研究所が共同で基礎開発し、エプソンが独自に実用化させた世界初の論理的LUT(Look Up Table)作成テクノロジ。従来のLUTに比べ、ガマット(色再現領域)、階調性(スムーズな色変化)、粒状性をバランスよく最適化することで、暗部の再現性と赤の発色を向上させ、画質のトータルクオリティが上げている。また解像度を1,200dpiとすることで、1dot(42μm)の再現性が向上しているほか、3~6ポイントの文字もくっきりと印刷できる。

LCCSの採用により暗部の再現性と赤色の発色が向上している

解像度を1,200dpiまでアップさせたことで小さな字もキレイにプリントできる

使いやすさでは、メンテナンス性が向上させ、メンテナンスコストが削減可能。カラーが切れた場合はプリンタ側でモノクロに変換し印刷してくれる。つまりPC側で出力し直しを行わなくてすむ。用紙も55~256g/m2と薄手の紙にも対応し、のし紙(半紙判:227×317mm)がセットできるように不定形の用紙まで対応可能になった。さらに、Microsoft Officeのツールバーを使い、割付け、カラー/モノクロ設定などの印刷設定が変えられる「かんたん設定 for Office」を搭載している。

ユニットの長寿命化、ユーザーが交換できる部品を用意することでランニングコストの大幅な削減を実現

Officeと連動したツールバーを用意しており、設定が簡単に変えられる

このほか、排気ファンの向きや再度へのケーブルの取り回しを工夫し、背面の突起を排除した設計を実現。背面を壁に接するような設置が可能となっている。パネルはLEDの高輝度化とパネル自体の傾斜により見やすく分かりやすくするほか、給紙カセットをコロ付きにするなど、少ない力で引き出せるようにした。

背面をフラットにすることで、壁際に設置できるようにした

給紙カセットはコロ付きになっているため、力をかけなくても簡単に取り出せる

操作パネルが使いやすくなっただけでなく、電源スイッチもパネル横にあるため、ON/OFFが行いやすい