2009年IT投資前年比成長率、全企業規模において大幅減 - IDC調べ

IDC Japanは6月24日、国内産業分野別IT市場の企業規模別の予測を発表した。同発表によると、世界的な景気後退の影響から多くの企業がIT投資を抑制しており、従業員規模999人以下の中堅中小企業では2009年のIT投資規模が3兆6,204億円で前年比成長率がマイナス5.4%と大幅に減速すると見ている。従業員規模1,000人以上の大企業の2009年IT投資規模も6兆3,524億円で、前年比成長率マイナス3.8%とマイナス成長を予測している。

経営体力に乏しい従業員規模99人以下の小規模企業の2009年IT投資前年比成長率はマイナス6.0%となり、4つの企業規模の分類において唯一プラス成長への回復が2011年以降になるという。

産業分野別では、景気後退の影響を特に強く受けている証券/その他金融で、中堅中小企業の2009年IT投資前年比成長率はマイナス8.1%、組立製造はマイナス9.9%と大幅に減速すると予測されている。その一方、レセプトのオンライン化対応とそれに伴う医療情報ネットワーク構築などが行われている医療分野では、中堅中小規模の医療機関の2009年IT投資前年比成長率が1.1%増とプラス成長を維持すると見込んでいる。流通/小売、一般サービスでは、業績の悪化によって2009年のIT投資はマイナス成長となるが、eコマース関連のIT投資は堅調なことから比較的マイナス幅は小さいと、同社では分析している。