広告ブロッカーを禁止する方法、ただしやるべきではない

オンラインコンテンツにとって広告収益は重要な収益源のひとつ。経営者にとって恐ろしいのは、広告ブロッカーによって広告バナーがそもそもユーザのブラウザ画面に表示されないことだ。広告が表示されなければクリックされることもなく、結果的に広告主に対する訴求力を失うことを意味している。

この広告ブロッカーをさらにブロックする方法がある。いくつかの方法があるが、Craig Buckler氏がSitePointに掲載したHow to Block the Advert Blockersの内容がわかりやすい。コンテンツに「広告ブロッカーを無効にしてください」といったメッセージをあらかじめ記載しておき、広告表示用のJavaScriptが実行されたらこれを表示しないように削除する、というものだ。広告が掲載される場合にはこのメッセージは消え、広告ブロッカーを使っていて広告表示用のJavaScriptが実行されない場合には残ったままになる、という仕組みだ。

しかしCraig Buckler氏はこれの続き記事としてWhy Blocking Ad Blockers Will Failを掲載しており、たしかに技術的には可能だが、実施すべきではないという内容を紹介している。紹介されている広告ブロッカーをブロックしない方がいい理由は次のとおり。

• 単一の方法ではすべての広告ブロッカーはブロックできない。複数の方法を実装するのははたしてコストに見合うだろうか
• JavaScriptを無効にしているユーザやスクリーンリーダを使っているようなユーザに対して不適切な警告が表示されてしまう
• 広告ブロッカーを導入しているのは技術レベルの高いユーザが多いため、簡単にさらなる対策を実施されてしまう
• 広告ブロッカーを導入するようなユーザはそもそも広告リンクをクリックしないため、広告ブロッカーをブロックしてもしなくても、結局広告収益には影響を与えない
• 紹介した方法で広告ブロッカーをブロックするだけ特定の割合のユーザにとってコンテンツを使用できないものにしてしまう

Craig Buckler氏は記事の最後で、もし広告収益が減ってきているのであれば、たぶん何か別に先に解決すべき問題があるのではないかと説明している。