いよいよ6月19日にオープンする109シネマズIMAXデジタルシアター。同シアターでは、従来の劇場では表現困難だったクリエイターが本当に見せたかった映像を観客に提供することができるという。そんなIMAXデジタルシアターの魅力を探っていこう。
IMAXデジタルシアターの魅力は、何といってもその臨場感だ。トライアングルビューという独自設計により、従来の劇場映画よりも視野角が広く、上下左右いっぱいまで広がる高画質映像と、迫力あるIMAX独自のデジタル・サウンドに包まれ、まるで映画のなかに入り込んでいるような体験が味わえる。映像クオリティに関しても、最高の輝度、最良のコントラスト・シャープネスを誇るという。
また従来のフィルム作品をIMAXバージョンに変換するデジタル処理は、IMAX DMR技術により映画フィルムのひとコマひとコマをデジタルスキャンし、ゴミを取り、サイズを拡大。さらに拡大した粗い画像を解像度を上げ、輝度を上げてクリアな映像にし、色調整、シャープなどを加えて調整し、デジタルのコマへと変換して最高級の映画に仕上げている。
実際に映像製作を行っているクリエイターたちはIMAXデジタルについてどう考えているのだろうか。
スティーヴン・スピルバーグ監督は「ハリウッドはいつも小さいスクリーン、つまりテレビやホームシアターで最終的に楽しめるコンテンツを求めていたが、今後は多くのフィルムメーカーたちがIMAXバージョンの映像を目指したいと思っているはずだ。IMAXデジタルシアターは我々をサポートしてくれる存在になっている」と語った。
また映画『バットマン ビギンズ』(2005)、『ダークナイト』(2008)などで知られるクリストファー・ノーラン監督は「バットマンをぜひIMAXで見てほしい。ホームシアターでは再現できないエキサイティングな映像を体験できるだろう。そしてIMAXこそがこれからの映画のあるべき姿だと思う」とコメント。
そのほか映画『タイタニック』(1997)のジェームズ・キャメロン監督は「私の次回作である『アバター』で我々が目指すのは、革命的なライブアクション3D映画を製作することだ。それはIMAX3Dに向けた製作にほかならない。拡大された視野やパワフルなサウンドシステムによって観客を包み込むIMAX3Dによる『アバター』は、これまで体験したことのない映像世界を提供できるだろう」と述べた。
日本におけるIMAXデジタルシアター初の公開作品となる『トランスフォーマー/リベンジ』(2009)は通常の35mmカメラに比べ、高画質のIMAXカメラを撮影に使用したシーンが含まれている映画だ。監督を務めたマイケル・ベイは「ハリウッドのスタジオから、映画の興行会社に対し、IMAXを是非薦めたい。IMAXのように臨場感あふれるシアターは、ほかに類を見ない。『トランスフォーマー/リベンジ』では、IMAXカメラで撮影したアクションシーンを3つ導入しているので、お楽しみに」とIMAXでの映像体験に対し期待を抱かせた。
IMAXデジタルシアターの鑑賞料金は『トランスフォーマー/リベンジ』が大人2,000円、中学生以下1,200円、エグゼクティブシート2,500円、第2弾上映作品『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(7月15日公開)はIMAX3D版での上映となり、大人2,200円、中学生以下1,500円、エグゼクティブシート2,500円。2作品とも通常の料金よりやや割高な料金設定になっている。東急レクリエーション映像事業部の久保正則氏は「IMAXでの映画鑑賞は、ほかでは味わえない特別な体験だと考えています。通常料金よりも高いプレミア料金になりますが、きっとそれに見合った満足していただけるコンテンツになると思っています」とIMAXデジタルシアターに対する自信を伺わせた。なお、鑑賞料金は今後変動する可能性もあるとのこと。
『トランスフォーマー/リベンジ』の興行成績次第では、今後IMAXデジタルシアターが続々と日本にオープンする可能性もあるだろう。109シネマズ川崎、菖蒲、箕面の3館に導入されるIMAXデジタルシアターで、是非1度今までにない映像クオリティでの映画鑑賞を楽しんでみてはいかがだろうか。