IDC Japanは6月8日、2008年の国内オペレーティングシステム(OS)市場規模実績と2013年までの市場規模予測を発表した。同発表によると、2008年の国内OS市場規模は前年比0.7%減の1,998億円となり、景気後退によるハードウェア出荷の落ち込みの影響を受けた格好。2008~13年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)はマイナス0.1%と予測されている。
同社では、2009年はIT投資の縮小が予想されるなか、ハードウェアに対する投資は一段と引き締めが強いため、国内OS市場にとって非常に厳しい1年になると見ている。
クライアントOS市場は、中堅中小企業向けPCの出荷が大きく落ち込んだ影響で前年比0.5%減の1,284億円となった。また、2009年の同市場は企業向けPC出荷の落ち込みから、前年比5.6%減と予測されている。2010年後半からは回復基調に転ずるが、2009年の下落が大きいことから2008~13年のCAGRはマイナス0.1%になると同社では予測している。
サーバOS市場は、前年比1.2%減の714億円と、2年連続のマイナス成長となった。UNIXとメインフレームは大幅な減少、Windows Server 2008のリリースがあったWindowsもx86サーバの出荷の低迷により微増にとどまっている。その一方で、Linuxは更新需要を着実に取り込んでサブスクリプションの更新率を高めたことに加え、データセンター事業者向けやHPC(High Performance Computing)向けの大型案件が寄与し、18.3%の高成長を達成した。
2009年のサーバOS市場もハードウェアの出荷落ち込みによる影響から前年比9.0%減と予測されている。2008~13年のCAGRはクライアントOSと同様に、2010年後半から回復に向かうが、2009年の一時的な下落によりマイナス0.1%になるとしている。OS別では、UNIXとメインフレームは2009年以降も大幅な縮小が続き、Windowsは2009年に6.2%減となるが2010年以降はプラス成長に回復して2011年では8.5%と成長のピークに達し、Linuxはサブスクリプションモデルによって安定した売上が見込めるため2009年以降もプラス成長を持続して2009年にはUNIX、2010年にはメインフレームの売上を抜くと予想される。