6月2日(太平洋夏時間)より4日間、年に一度のJava開発者の祭典「JavaOne Conference」が今年もカリフォルニア州サンフランシスコにて開催される。1日より併設イベントであるCommunityOneが開幕するということもあり、すでにサンフランシスコには世界中からJava技術のプロフェッショナルたちが集まってきている。この5日間、会場となるモスコーニ・コンベンション・センターは世界でもっともJava開発者の密度が高い場所となるだろう。

今年のJavaOneの標語は「JAVA + COMMUNITY = POWERFUL」 - すでに世の中のインフラ的な存在となったJavaは、コミュニティの力によってよりパワフルなものとなるという意味だ。そのJavaとコミュニティとの繋がりを、200以上のセッション、100以上のBOF(Birds Of a Feather)、ハンズオン、そして数々の展示によってJavaOneがサポートする。会場にはその他にも「JAVA = INNOVATION」や「JAVA = OPPOTUNITY」、「JAVA + YOU = IMAGINATION」などといった、Javaが何者であるかを示す標語が掲示されている。

JavaOne開催前日のモスコーニ・コンベンション・センター

今年のCommunityOneおよびJavaOneの目玉になりそうなキーワードのひとつは「クラウド」だ。Sun Microsystemsは3月にクラウドコンピューティング向けのプラットフォーム「Sun Open Cloud Platform」とクラウドサービス「Sun Cloud」を発表した。同サービスは第1段が今夏に開始される予定とのことであったが、このJavaOneで最新の動向が発表されることは間違いない。具体的な技術構成やサービスとしての形態、料金体系など、どこまでオープンにされるだろうか。また、最近めっきり影を潜めてしまったが「Project Caroline」や「Project Hydrazine」などの動向も気になる。

クラウドに関しては、Javaをクラウド上で活用するための技術やテクニックもチェックしておきたいポイントである。またAmazon EC2やGoogle App Engine、Windows Azureなど他社のクラウドプラットフォームとの関係にも注目したい。JavaOneのスケジュールを見ると、これらのプラットフォーム上でJavaを活用するテクニカルセッションも組まれているようであり、Javaが決してSunのクラウドだけをターゲットにしているわけではないことは明らかだ。

クラウド以外で目玉になりそうな技術としては、やはり「JavaFX」が有力だろう。今回のJavaOneでは"JavaFX"の名が付くセッションだけで60近くあり、Sunの力の入れ方、そして開発者の関心の高さがわかる。残念ながらRIAプラットフォームとしては競合技術に対して大きく遅れを取ってるJavaFXだが、その潜在能力の高さから今後の躍進を期待したい技術である。

その他にも、マイコミジャーナルとしてはもちろんJava SE 7やJava EE 6など次期Javaプラットフォームに関する最新情報にも目を光らせていきたい。仕様の概要がほぼ固まりつつある中で、開発の進行状況はどうなっているのか、開発者から直接聞くチャンスでもある。

OracleによるSunの買収が発表されて以来、Javaや関連記述の先行きを不安視する声が多く上がっていた。だがJavaOneそしてCommunityOneは開発者のための祭典である。技術の観点からその発展や可能性を見せることで、開発者にパワーを与えるイベントになってくれればと願う。

JavaOne参加者に配られた、今年のカンファレンスバッグとエコバッグ、Tシャツ